人は人と出会い、そして別れる事で大人になり、成長していく。生まれてから死ぬまでの間に、人は色んな人と出会い、そして別れていくものですな。出会いと別れは、大人になってから、即ち社会人になってからの方が多いとは思いますが、でも、特に別れる時のインパクトの度合いは、子供の時の方が大きく感じるような気がするのはワタシだけでしょうか。社会人になってから、公私を問わず、別れのシーンにお目に掛かっているにも関わらず、小学校の頃、クラスメートが引っ越して遠くへ行ってしまう時の寂しさの方が、今でも忘れられない悲しい出来事として記憶されているように、記憶の度合いが違うように感じるんですな。逆に言うと、大人になってからの別れは、五月雨的で惰性的になってしまっているような感じで、あまり記憶に残らないんですな。「あの人、今はどうしているんだろう…」と、ふと思ったりするのは、大人になってから別れた人に対しては、あまり思う事はないんですな。ワタシだけかも知れませんが…。
まぁそれだけ、子供の頃の方が感受性が鋭く、感性が豊かだったとも言える訳で、これは何も出会いと別れの事柄でだけはなく、他の事に関しても全て同じように言えますな。古い事は今での覚えているのに、最近の出来事はすぐに忘れてしまうというのと同じようで…。
そんな無垢でイノセントな少年であるこの映画の主人公にとって、ウォーター・ホースとの出会いは、それまで閉じこもっていた殻を破り、大人への道を歩み出すきっかけだったんですな。そして、それとの決別。別れる事の寂しさと悲しさを経験する事により成長し、大人への道をまた一歩踏み出す事になるんですな。これが人生なんですな。 (★★★)
The Water Horse
カラー/デラックス・プリント/2.35(アリ=カメラ&レンズ)/ドルビー・デジタル/DTS/SDDS/110'35"
●TOHOシネマズ梅田・シアター6/ネット先売券(¥1000)/約3分の1(20:10からのレイトショー)

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