Salt
何ていうか、アンジェリーナ・ジョリー版“ボーン・シリーズ”といった感じで、それ以上でも以下でもないって感じがしますな。ま、退屈はしませんでしたが、マット・デイモンがアンジェリーナ・ジョリーに替わっただけというのは、ちょっと物足りない感じもしました。
それと、“ウリ”のドンデン返しですが、ナンか凄く投げやりな感じがしましたな。この手の映画って、映画の中の登場人物どうしが、騙したり騙されたりという展開になるのが常ですが、最近の、ドンデン返しをウリにする映画のほとんどは、作り手側が観客を騙す為に仕組んでいる傾向が多いように思いますな。勿論、それも必要なんでしょうが、それはあくまでも結果論であって、基本的には、映画の中でそれを消化して欲しいと思いますな。一番良い例があの『スティング』で、劇中での騙し合いの果てに、結果的に我々観客も騙されていた…というのが凄く快感で、ドンデン返しの醍醐味でもあると思われますが、最近の映画はそこまで計算しておらず、「適当にデッチ上げて客をかく乱しちまえ」みたいな、そんな投げやりな映画が多いように思われますな。やはり作り手側の演出力・脚本力の無さが、そんな状態になってしまっているのでしょうか。(★★★)
デラックス・カラー/パナヴィジョン(カメラ&レンズ=2.35)/ドルビー・デジタル/DTS/SDDS/100'04"
●TOHOシネマズ梅田・シアター10/当日券(ポイント鑑賞)/満席(12:00からの2回目)

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