The Expendables
予想通りというか、思った通りの映画でした。新旧のアクション・スター勢揃いというのが“売り”ではありますが、予告編を観た限りでは、シュワ知事とブルース・ウィリスはゲスト出演程度で、いわゆる“顔見せ”という扱い。観たら実際そのまんまでしたな。で、残りのメンバーで作戦完遂という展開。一応、1人裏切り者が出るという“工夫”がなされてましたが、それも申し訳程度で、展開に支障なし。適度にハラハラさせる部分もなく、アッと驚くドンデン返しもなしで、ナンか気の抜けた炭酸飲料みたいな映画でしたな。
この手の映画は、例えば仲間を集めるとか、凄く困難な問題・難題があり、それをどう克服するかとか、そういった展開があっても良さそうなんですが、この映画の場合は、仲間は最初から集まっているし、大して難題も無く作戦は遂行されるしという、何とも平坦な展開で、それが凄く軽い印象を与えてしまって、肝心のアクション・シーンも、メンバー一人ひとりの個性がイマイチ分かり難い為、誰がどんな手で相手をやっつけるかという見せ場も、ほとんど盛り上がらずに終わってしまったって感じで、アクション映画としても大した事ありませんでしたな。
そもそも、そのアクション・シーンにしてからが、最近のアクションものにありがちな、カットの切り返しを多くして、一体画面で何が起こっているのか分からないように誤魔化されている感じで、これだと、せっかくのジェット・リーの生身のアクションも生かされないままですな。前作の『ランボー/最後の戦場』で、男心を燃やしてくれたスタローン監督の演出も、ここでは通り一遍のアクション映画に終わっていて、これだけのキャストを集めた割には残念というか、無駄使いに終わったというか…。中盤の、入り江を空爆するシーンだけは良かったですが、せめて、あれぐらい人を喰ったようなアクションで全編押してくれたら、それはそれでまた別の面白さが出ていたと思われるんですけどねぇ。(★★1/2)
カラー/2.35/ドルビー・デジタル/DTS/103'10"
●梅田ブルク7・シアター1/先売券(¥1200)/約3分の1(21:25からのレイトショー)

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