劇中、CIA本部の資料倉庫の保管係役として顔を見せていたのがアーネスト・ボーグナインだったのは嬉しい衝撃でしたな。以前読んだ雑誌か何かで、最近の映画で元気な姿を見せていると書かれてあったのを思い出し、それがこの映画だった訳ですが、確か本人はもう90歳を越えている筈で、なのに出番は少ないものの、今も元気な姿を見せてくれているのは、とても嬉しいですな。ロートル・スパイの活躍を描いたこの映画で、一番のロートルで、しかもその健在振りが嬉しかったのが、このアーネスト・ボーグナインですな。
あと、後半辺りに、訳ありの大物役として登場する小柄な男が、どこかで見た顔でなかなか思い出せず、何となくリチャード・ドレイファスに似てるけど、この映画に出ていたっけ…? と、結局最後まで判明せずに、エンド・クレジットを凝視して確認したところ、やっぱりリチャード・ドレイファスだったのも嬉しかったですな。若い頃からスクリーンで見ていたので、昔と違って今は大分顔も変わったりしている為、パッと見分からない場合がありますが、今でも現役なのは、これも嬉しい事ですな。物語のキーを握る悪役という点も、何か特別な感じもして、印象に残る役になってましたな。
リチャード・ドレイファスといえば、一番有名なのは恐らく『ジョーズ』だと思われますが、あの『ジョーズ』の全世界での大ヒットぶりから考えると、『ジョーズ』に出てた3人の俳優、即ち、ロイ・シェイダーとロバート・ショウとリチャード・ドレイファスは、全世界の人たちに最高に顔を知られた俳優だと思いますな。つまり、劇場・ビデオ・DVD・テレビを問わず、全世界・全宇宙の何百億人という人たちに見られている筈だから、誰にでも顔を知られてると思われるんですが、他の映画でロイ・シェイダーを見ても、或いはロバート・ショウを見ても、そして今回のリチャード・ドレイファスを見ても、誰からも「アッ、『ジョーズ』の人だ!」と言れわないのは不思議ですな。まぁ、シェイダーもショウも、他に有名な作品があるので致し方ないかも知れませんが、リチャード・ドレイファスは、どう見ても『ジョーズ』が一番有名でしょうな。同じスピルバーグ監督の『未知との遭遇』よりも、オスカーを獲った『グッバイガール』よりも、一番みんなが見てるのは『ジョーズ』の筈ですからな。なのに、今回だってこの映画に出てきた時だって、誰からも反応ナシだったのは寂しいものですな。みんなどうしたんだ。知ってるだろう。見た事あるだろう。あの『ジョーズ』に出てたリチャード・ドレイファスだっせ。忘れたのかよ〜! と、観客の皆さんに問いかけたい衝動に駆られましたが、一歩手前でヤメました。まぁ、ワタシ自身、疑いの目で見ていたぐらいなので、無理もありませんな。まぁ『ジョーズ』の場合、映画の内容が面白過ぎて、出ている俳優の事は二の次・三の次だった事を考えれば、納得も行くというものですな。
そういえば、アーネスト・ボーグナインもリチャード・ドレイファスも、どちらも新旧の『ポセイドン・アドベンチャー』(新作は『ポセイドン』)に出演しているのは、何かの偶然でしょうかねぇ。まさかそれを意識したキャスティングだったとは思えませんが、ロートル世代をネタにした映画だっただけに、気になってしまいました。
思えば、この二人と『ポセイドン・アドベンチャー』や『ジョーズ』で共演していた人は、みんなもうこの世に居ませんな。それを思うとこの二人が元気なのは何よりですな。ボーグナインが出てた『特攻大作戦』や『ワイルドバンチ』や『北国の帝王』の共演者たちも、みんなもう居なくなってしまいましたな。寂しいものですな。(★★★)
Red
カラー/2.35/ドルビー・デジタル/111'01"
●TOHOシネマズ梅田・シアター10/ネット先売券(¥1200)/満席(21:30からのレイトショー)

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