東宝3度目のリメイクも、やはり同じ道を辿ったような。前半の変態前は面白かったんだけどな〜。いつもそうだ。84年版の時も、00年版の時も。怪獣映画特有の未知なるものに対する恐怖みたいなのがちゃんと描かれていて。今回は人間ドラマの方もイイ調子で。
ところが後半、ゴジラが完全変態してからというのが、思いっきり期待外れである。前半あれだけムード満点だった怪獣シーンが、デカいゴジラになった途端、一気に萎んでしまうとは。大体ゴジラに動きが無さ過ぎる。怪獣映画の醍醐味は何と云っても街の破壊シーンである。特に日本の特撮映画の場合は、精巧なミニチュアワークを駆使して、過去もそれらのシーンで構築されてきた。なのにこの映画と来たら…。
あれだけスピード感もあった前半に比べて、後半の情けない事と云ったら。ゴジラの熱線もあんなもんじゃダメだと思う。ただジッとしてるゴジラなんて、何がしたいのやらサッパリである。それに加えて人間ドラマの方もグダグダに。何百人もスターの出演なんかいらないから、キッチリと自分の演技をしろってもんだ。
やっぱり、ゴジラの魅力を真に理解している人じゃないと。上辺だけのテクニシャンは要らない。昔風の職人技を持っている人にお願いしたい。それがいなけりゃ、これでお終いにして欲しい。これ以上ゴジラの醜態は、観たくないので。(★1/2)
東宝配給/カラー/2.35/ドルビー・アトモス/119分
●TOHOシネマ梅田・シアター1/ネット先売券(¥1100)/9:00からの1回目(約半分)

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