Rambo:Rast Blood
80年〜90年代に誕生して今の時代も活躍している映画の同一のアクション映画の主人公というと、『ターミネーター』のシュワと『ミッション:インポッシブル』のトム・クルーズと、そして『ランボー』のスタローンだと思うのですが、どの人も年齢を重ねて、特にアクション・シーンには辛いものがありますな。時代も2020年になり、『ターミネーター』のシュワも終わってしまい、遂に『ランボー』もこれで終わりになってしまい、ちょっぴり寂しいものがありますな。後はトム・クルーズだけで、頑張って欲しいものですが、ものがアクション映画だけに、果たしていつまで続くか、それが問題ですな。
で、スタローンですが、雰囲気的に前作『ランボー/最後の戦場』のラスト・シーンが、シリーズのラストの雰囲気だったので、アレが最後でもよかったんですが、さらに登場した本作が“ラスト・ブラッド”のサブタイトルを引っ提げているのを見た時、初作の原題“First Blood”に上手く引っ掛けたものであるという事だったので、これにはなるほど納得しましたな。今回は戦場でなく、最後の見せ場が自分の領域という事なので、随分とスケールが小さくなったなと思われるかも知れませんが、主題が“国家の為”ではなく、あくまでも個人的な復讐なので、それも納得しちゃいますな。
いわばこの作品、スタローン版“デス・ウィッシュ”のようでもあり、そんな個人的復讐に必死になって戦うランボーが、凄く人間味溢れているようで、メッチャ可愛く思えてしまいました。思えば、あのミスター・デス・ウィッシュことチャールズ・ブロンソンも、約30年間に渡り仕置き人生を歩んできた事を思うと、このランボーも40年間に渡って同じような道を辿って来たかと、何か灌漑深いものを感じさせますな。このシリーズ、確かに戦争を絡めた映画ではあるものの、言ってみればどれもスケールの大きなデス・ウィッシュものであり、そう思うとこのラストの映画のストーリーも納得出来るものがあるなぁと、ランボー氏の戦いぶりに拍手を送りたい気分になりましたな。
そういう意味で、さらばランボーではあり、自分の落ち着く場所をやっと見つけたランボーに、さよならを言いたいものですな。でも彼の事だから、もしかすると頼まれればまた、戦場(悪い奴のいる場所)に舞い戻ってくるかも知れませんなぁ。世界に戦場がある限り、悪い奴がいる限り…。(★★★★)
●ギャガ配給/カラー/2.35/ドルビー・デジタル/101分
●東宝シネマズ梅田・シアター1/ネット先売券(\1300)/9:00からのレイトショー(約50人)

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