正月に相応しいパニック映画ですな。昔から正月映画といえばパニック映画が思い浮かびますな。『大地震』とか“エアポート・シリーズ”とか『スピード』とか『アルマゲドン』とか。最近はすっかり鳴りを潜めましたが、今回久々に正月にパニック映画が堪能出来て、嬉しいというか、懐かしかったですな。尤も今回は、年明け公開の正月第2弾の映画でしたけどね。
列車のパニック映画というと、『サブウェイ・パニック』やら『新幹線大爆破』やら『大陸横断超特急』やら『暴走機関車』を思い出してしまう訳ですが、このいずれもが、何かの事情で“止まれなくなった”或いは“止まらなくなった”列車を描いてるのが共通点ですな。で、今回の映画も同様に、止まらなくなった列車、それも重量級の貨物列車が舞台で、まさに列車が主人公といってもイイぐらいのインパクトがありますな。
作風としては、『暴走機関車』に似た感じで、さらに他の上記作品のエッセンス(指令所とのやり取りや色んな方法で停止を試みるという展開等)も色々と取り入れられているというスタイルで、いわばこの手の映画の集大成的な感じになっていますな。それでいて、ランタイムが程々の長さというのも心地良く、また、映画が始まるとほぼ同時に暴走し始めるという展開もスピーディーでイイですな。
ただ、実話を元にした話であるという事なので、極端に脚色出来ないというのがウィーク・ポイントであり、出来ればクライマックスにも、あと2〜3箇所、ハラハラするような難所を用意して欲しかった気もしますな。また、過去の『大陸横断超特急』や『スピード』において、最後の最後に列車を激突させて派手なぶち壊しを見せてくれた経歴がある20世紀フォックスの映画だっただけに、今回のクライマックスにもそれなりの破壊を期待したものの、意外にすんなり終わっていたのも少々物足りなさを感じたのものでしたが、パニック・サスペンスものとしては面白く仕上がっていて、1年に2〜3本は、この手の映画が観たいものではありますな。(★★★★)
Unstoppable
カラー/2.35/ドルビー・デジタル/DTS/SDDS/97'23"/FOX配給
●TOHOシネマズ梅田・シアター1/ネット先売券(¥1200)/ガラガラ(21:15からのレイトショー)

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