お馴染みシリーズの第5作目であります。前作公開後約1ヶ月でお目見えした訳ですが、それも当然、前作の4作目とこの5作目とは、ストーリー的に繋がっているんですな。今までのシリーズを振り返っても、1作目→2作目→3作目→4作目は、全く繋がりが無かったシリーズだけに、これはシリーズ初の試みといってもイイのではないでしょうか。っていうか、元々1つだった話を、無理やり2つに分けている感も無きにしも非ずで、まぁこの辺りは商魂逞しいって気もしますな。
とは言うものの、ストーリーは、時系列的には繋がっているけど、話自体はまた別のモノになっておりまして、毎度ご登場願っております生物兵器“トライオキシン5”が、ここでも登場、色々あって、高校生の研究オタクが所有するに至り、そのオタクが金儲けの為と称して、そのガスを粒状化(及びカプセル化)してドラッグを作り、それがハロウィン・パーティーに沸く学園中に広まってしまってさぁ大変という展開になっているのであります。
前作が、終始謎の研究所を舞台にして、どちらかというとシリアスな展開だったのに対し、今回は、第1作にあった若者たちのバカ騒ぎによって被害が増大するというパターンに軌道修正されているのは、これは原点回帰とでも言う事なんでしょうが、その証拠として、今回久々に“タールマン”が登場しているのは、1作目からのファンには懐かしいですな。でも、あまり活躍しないんですけどね(笑)。むしろコメディ・リリーフという扱いなので、これはファンサービスなんでしょうね、きっと。
前作と監督が同じという事もあり、テンポがスピーディーで、モタモタしていないのには好感が持てました。それと、これも前作同様、特殊メイクが良く出来ていて、第1作は勿論、『ゾンビ』や『サンゲリア』等のマスターピース的ゾンビ映画を見慣れた人にも、納得が出来る仕上がりにはなっております。頭を破壊されたら死ぬというロメロ&フルチ・タイプのゾンビという設定もそのまま受け継がれているし。
ただ、相変わらず結末が、“いつもと同じ”なのは、ちょっと食傷気味で、もうちょっと何か、他のアイデアはなかったんでしょうか。前作が、“違う結末”(まぁ、この5作目に続かなければならなかった…という意味合いもあったからですが…)だっだけに、ちょっとだけ期待したんですが…。
アメリカでも、4作目・5作目は、劇場公開されなかったようですが、それも分かるというか、かなりビデオ向き作品になっているのも事実で、まぁこの辺りはジャンル映画の宿命というべきものなんでしょうね。出来れば、日本でDVD化の際は、4作・5作をセット(2枚組ならベスト)にした形にして頂けると有り難いですな。そうやって続けて観るのが一番最適な鑑賞方法でしょうから。 (★★★)
Return of the Living Dead: Rave to the Grave
CFIカラー/1.85/ドルビー/96'03"
●ホクテンザ2/チケット屋券(\700)/約20人(11:00からの1回目)

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