2009/10/28

近衛版の第九  指揮者

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研秀出版 KS-318 1968 渡辺洋子(S) 長野羊奈子(A) 藤沼明彦(T) 栗林義信(Bt)
二期会合唱団 読売日本交響楽団



近衛秀麿と言うと戦前の新交響楽団が浮かびますが「第九」を年末恒例にしたのも近衛さんだと言われてますね!だけど元を辿れば、ローゼンシュトックらしいですが、彼等は日本にプロのオーケストラが出来て、その育成に関わった初期の人でも在りますが、現在は功績を忘れられてる処も在るのは残念でなりません!近衛秀麿は自身で語った事からエーリッヒ・クライバーの弟子だと判りますが、音楽性は全く違うと見て良いと思います。それは電光石火の如く雪崩れ込む演奏をするエーリッヒ・クライバーに比べると落ち着いてますが、こちらは晩年の録音なので何とも言えません!現に戦前に行った一連のSPレコードからは、師匠の方法論をそっくり真似た演奏も在ります。有名な処では、J・シュトラウスの「美しき青きドナウ」完全版が在り、師弟共々濃厚でロマンティックな演奏をSP盤4面ゆったりと刻んでます。これは愛好家には有名なレコードです。全盛期の実況録音でも残っていれば、と思いますが、海外と違い保存に無頓着だった日本故に仕方がありません!さて、こちらの「第九」ですが、部厚い響きが特徴と言えます。つまり補強をしてる訳ですね!テンポは適正です。管楽器の補強が目立つので、鮮やかな印象も在ります。実は近衛版のスコアは交響曲全曲に及び、1946〜1962年迄に改正譜を完成させたそうです。尚、こちらのレコードで聴かれる第九のスコアは、京大オーケストラの資料室に保管されてましたが残念ながら後の火災で焼失してます。しかし、音源が残されたのは幸運でした。演奏評です。第1楽章は流石に大家らしく堂々としてますが、管楽器が必要以上に充実している感じがします。ですが見識を変えれば、当時の日本のオーケストラの水準を考えたのかな?なんて想像もつきます。実際、パワー不足で管楽器が痩せて聞こえるオケも近年迄(今でも?)在りました。その為の補強だと思えば合点がいきます。それは、交響曲全曲の録音が残っていれば良い資料となりますが、後は5番と6番が在るのみです。第九以外は、スコアが残っているので誰かやらないものかと思います。演奏評に戻ります。とても流れの良い演奏ですが展開部迄聴くと管楽器を補強した事が理解出来ます。とても効果的です。ここを聴くと浮かぶのが、ブルーノ・ワルターです。彼は、第九を演奏する際にマーラー版を参考にしてましたが、所々類似点を見出だす事が出来ます。スコアが現存していれば、日本人音楽家が改正した物として唯一だけに残念です。第2楽章も骨格のしっかりした骨太の音楽が響き渡ります。リズム感もまあまあって感じですね!続く第3楽章は、テンポも揺らぎ旋律を歌い込んでますが、ベタベタしないのは、巨匠の知性か?とも思いますね!終楽章もアッサリとストレートに演奏されてます。所々のテンポの動きは時に古さを感じますが、1音1音を揺るがせにしてません!欲を言えば、独唱者が小粒な点と合唱団の精度ですが、一体と成った迫力が感じられます。そして終止部には、メンゲルベルクの様にリタルダンドが掛かりますが、あれ程大時代掛かってはいません!全曲が一枚にカッティングされてますが、以外と音痩せは無く音質も良好です。ビクターレーベルなので、録音を委託したのかも知れません!

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2009/10/9

トスカニーニの第7  指揮者


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日.Victor LS2016

「第7」と聞いて即座にベートーヴェンが浮かぶ御仁は余程、この曲が好きだと推察しますが、私も多分に漏れず大好きです。特にこの曲は、一昨年のフジテレビのテレビドラマ「のだめカンタービレ」でテーマ曲として使用されたので、普段クラシックに馴染みが無い人にも認知度が増した事と推察します。落ち込んでる人が聴いても活気溢れる曲想に感化され、気も晴れる事でしょう!だけど、それは演奏にもよるかな?巨匠の第7は、正規盤としては、戦前のニューヨークPoのSPレコードと戦後のNBC交響楽団のLP盤が浮かびますが、こちらは、そのLP盤です。収録年は、1951年です。強豪なリズムと押しの強い早いテンポの演奏ですが、些か窮屈で、息苦しいのも事実です。つまり余裕が無いんですな!その点では、ニューヨークPoの演奏が大オーケストラの醍醐味を満喫出来ます。演奏を選ぶか?音質を選ぶか?てな感じですかね?と言った面では、音質を含めて此方かな?演奏評です。第1楽章の有名な和音が、キッパリと竹を割った様に鳴り響きます。そのまま変な溜めも無く進んで行きますが、その推進力が物凄く、主部も同様に進みます。響きが余りにも厳しいので怒られている様な印象も受けます。目の前を通り過ぎる蒸気機関車みたいな感じもしますね!続く第2楽章は、不滅のアレグレットと呼ばれてますが、巨匠のテンポで聴くと何だか納得します。暗い曲ですが、悲しみを振り切って!なんて感じですかね?第3楽章も基本的なテンポは同様です。ここで問題になるのが、金管のトリオのテンポですが、クレンペラーがトスカニーニの演奏は早過ぎると批難してます。それには理由が在って、実はこの旋律は、オーストリアの古い巡礼歌であるアヴェ・マリアから引用してるので、出来るだけゆっくりと演奏しなければならないと言ってました。これは、私も同感なんですが、こちらの箇所をゆっくり演奏してるレコードが多いのも事実ですが、皆様は如何に?結局好みですかね?そして終楽章も猛烈其の物で大変なものです。今になって聴くと新即物主義の原点と言われた巨匠ですが、その演奏スタイルに古さを感じるのも仕方がないかな?
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2009/10/6

ストックホルムフィルのフルトヴェングラー  指揮者


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Toshiba EMI WF-60011

巨匠、得意のベートーヴェンです。これは、1948年にストックホルムフィルに客演した時の録音です。巨匠のベートーヴェンは、奇数番号曲が音楽性に合っていると言うのが定説ですが、事実、名盤と呼ばれているものは、3・5・7・9番の交響曲ですから、万人の一致とみて良いですね!然らば偶数番号曲は、どうかと言うと、巨匠の表現は、曲を超えているのか、とても大袈裟な演奏が多く、如何にも相性が悪い感じがします。こちらの第8交響曲もそんな感じですね!その為か、演奏スタイルは寧ろ古く、H・V・ビュ―ロの時代に戻ったかの印象を受けます。事実、曲が始まった途端にリタルダンドが掛かりますし、全体像も野暮ったく感じます。それにこの曲に在る優美さとも無縁です。原因は、巨匠が曲の特色を全く捉えていない事です。演奏様式が古いのも自身のスタイルが無い事は察しが附きます。それでも切り口は、やはり巨匠で、第1楽章の厳しい造形や第2楽章の重たいリズムは、その最たるものですね!それでも続く第3楽章のゆとりのある表現は中々ですし、終楽章の激しさも巨匠ならではです。だけど、ここ迄なら対して価値の在るレコードでは在りません!寧ろ裏面のリハーサル音源の価値が在ります。曲は、レオノーレ第3番序曲ですが、ストックホルムフィルが実に敏感に反応し、みるみる内に巨匠の音に変貌を遂げるのが実際に聴けます。ここでは如何に巨匠のフォルテシモが素晴らしかったか!と言う事を推察するに充分な資料と成っています。ベルリンフィルでは、時間が足りなくなる位に没頭したそうですが、こちらでは客演の為か簡潔なリハーサルをしてます。尚、本番の演奏も収録されてるので聴き比べるのも良かろうと思います。しかしアマオケの様な失態をしているのが惜しい!

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