2010/3/31

レニングラードと呼ばれた交響曲  クラシック


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Victor Japan MK-1024-25 1972


「レニングラードに捧ぐ」と記された交響曲である。これは、同地で行なわれた攻防戦に対してファシズムに抵抗した曲であるとされたが、後に政治的圧力によって作曲家自身から否定された。スターリン政権下に在っては当局の批判も当然だ!この様な歴史的背景に於いては仕方ないのかも知れないが、現在では、ショスタコーヴィッチの代表的な交響曲である。第1楽章を貫くリズムは、ヴァイオリンとヴィオラによって演奏される戦争の主題と共に攻防戦の様子を表している。このレコードは、それが最もクールに表現されているが、客観的に曲を見つめる事によって、性格を露わにしている。構成は、ラヴェルの「ボレロ」にヒントを得た様だが、悪戯に肥大せず、進撃な姿勢を持って指揮をするムラヴィンスキーは素晴らしい!リズムに乗り、徐々に楽器が増えて行く曲だが、この編成に於いてはテンポを維持するのは大変である。だが、この演奏は、曲想が激しくなって行くに従い、更にテンポを上げるのは驚異である。それは手兵のレニングラード・フィルが如何に優れていたかの証明でも在る訳だが、これが実況録音で成し遂げた成果で在る事に改めて驚嘆する。この楽章は、指揮者によって解釈の違いが出易いので興味の在る方は是非御試聴願いたい!収録は、1953年である。音質から推察するにドイツから戦勝品として持ち帰ったマグネトフォンで在る可能性が高い!原盤は、旧ソ、メロディアである。話を戻そう!第2楽章も特有の鋭さが在るが木管の対旋律に儚さを感じる。そして、その旋律は発展を遂げ勇猛に歌われるが、孤独な音楽に聴こえるのは、どうした事だろう?作曲当時のショスタコーヴィッチの心境が表われているのだろうか?それは、アダージョ楽章で在る第3楽章に表われていると言っても過言でもなかろう!ここに深い絶望感を感じる。それでも前に向かって歩く姿が浮かぶ。だが曲が進むと救いの光が差し込む様な印象も在り、深い慟哭と共に高らかに何かを訴える様である。続く終楽章は、迷走と混乱と共に突進する主題に勢いを感じるもののフォルテシモで演奏される悲痛な響きは戦乱の悲惨さを表している。そして常に暗さが付き纏い悲痛だが暴政に対するヒューマニズムの勝利を信じ高らかに曲を閉じる。

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タグ: 戦争 政治 モスクワ

2010/3/30

宇野功芳さんが、あんまり良いと言うので?  クラシック


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Columbia Japn OC-7259 LP


ブルックナーの第7交響曲である。指揮は、シューリヒトだ!批評家の宇野功芳さんが、各誌で、あんまり良いと言うので結局買ってしまったレコードである。以前は、会員向けのコンサート・ホールで出ていた様だが、私は、コロムビア盤しか知らない!音質は、思ったよりは良好だ!使用版は、改訂版との事だが、弦楽器が活躍すると思ったが意外にもブラスが目立つ演奏だった。私は、カール・シューリヒトを余り聴いた事が無いので、ファンの見識は知らない!だから尚更聴いた通りの事を書くが、素朴な弦楽器の扱いに対して派手に聴こえるのは事実である。しかし編成は巨大なので当り前なのかも知れない!聴いていて明らかに違うのが、ノヴァークやハース版で慣れた人が聴くと奇異に感じる箇所も在るのは当然だが、第1楽章に限って言えば、24小節目で聴こえる筈のホルンが入って無いので、ホルン好きの私は物足りなかった!それと管楽器が目立つ原因は、366〜369小節目のホルンの合いの手がトランペットに変更されているので、余計煩く感じた様だ!バランスの問題も在るが演奏は充実している。聴いていると壮大感は無いがリリシズムに溢れているのがシューリヒトの特徴の様だ!ハーグ・フィルは初めて聴くが引き締まった充実した音を聞かせてくれる。春の日差しが差し込む様な演奏と言えるだろう!第2楽章である。ふくよかな荘厳な雰囲気の在る響きが聴かれるが表情は聡明である。その辺が葬送行進曲と言われる由縁であろう!サラサラと流れながらも音に絶えず意味が在るのは素晴らしいと思う!続く第3楽章は、厳しいリズムと造型で支配された演奏だ!甘さは無く、鋭く各動機が交差する。終始その姿勢を通すのは立派だ!終楽章は、曲自体の規模も小さいが、シューリヒトには丁度良い感じがする。ここでも切れの良さは健在だ!曲を手中に収めていて自在にしている様だが有機的な弦の調べは決して外的な美しさだけでは無く管楽器の強力な支えに成っている。フォルテシモが意味深く鳴り響くのもそんな処が利点であるからだろう!必要意外に力む事無く高らかに歌い上げるのは見事だ!

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2010/3/29

ロシアの合唱オペラ  歌劇・楽劇


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NAXOS Historical 8.111071-73 3CD


ボロディンの「イーゴリ公」である。この歌劇は、例の踊りだけが有名で、あまり全容が見えない作品だが、初めも終わりも合唱で埋め尽くされた正に合唱オペラと言える作品だ!このCDを購入したのは、「イーゴリ公」が聴きたい!と急に思い立ち、CDショップで探し回ったら、これしか無かったと言うだけの単純な理由によるものである。だか初めから本場物から聴いたのは良かったとも言えるだろう!御陰で次に聴き返すキッカケが出来た。これは、当時、ソビエト連邦社会主義共和国時代の国立メロディア盤から復刻されたものである。

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収録は、1951にモスクワで行われた。残念だが、リーフレットを読んでも御馴染みの歌手は居ない!指揮者のアレクサンドル・メリク=パシャエフとて未知である。調べてみると、これはボリショイ劇場の一連のプロジェクトが組まれ、他の作品も続けて録音したそうだが、私はロシア音楽の良い聴き手では無いのでよく解らない!歌手も大物らしい?主役のイーゴリ公は、アンドレイ・イヴァーノフと言うバリトン歌手だ!他の配役を見てもピンと来ない!だが演奏は正しくロシアと言いたい!序曲が始まった途端に幕明けが期待される。そんな感じだ!だから幕が開き合唱が始まった途端に圧倒される。後は、只、その流れに乗って聴く迄である。とにかく圧巻、驚嘆である。底知れないパワーに圧倒されると言った感じだ!第2幕のダッタン人の踊りも然りである。これは、リムスキー=コルサコフとグラズノフ共同による補筆版だが第3幕は省略されている。復刻技術は素晴らしいが、改めてステレオ盤で聴きたくなったのも事実である。


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