2010/4/30

マタチッチとN響  指揮者


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DENON Columbia 35CO-1001 CD 1986


NHK交響楽団で巨匠が最後に振った一連の演奏会からのCD化で発売当時は大いに?話題に成ったものだ!だが録音状態は、まだデジタル録音に慣れていないのか音質は悪い!録音は勿論、日本放送協会である。CD(レコード)化したのは、日本コロムビアだが例の如くデザインが悪い!販売当時も下種なデザインで呆れたものである。だが極度に痩せた心細い音質ながら巨匠の豪快な演奏が聴かれる。金管に難点が散乱するが完成度は高い様だ!N響は、この頃から演奏技術が向上するが、まだ発展途上と見て良いだろう!テンポは速い!演奏は、素朴の極意と言った処で外面も少しも磨かれていないし荒いが、野人の様なゴツゴツした響きに作曲家本来の姿を見る事が出来る。つまり、何処を取ってもブルックナーの音がすると言う事だ!NHK交響楽団は、確かに日本では上手い方で割りと難曲もこなすが楽団特有の個性に乏しく、指揮者に個性が無いと良いか悪いか判断が付かない演奏をする楽団でもある。しかし巨匠の様な個性鮮明な指揮者に出会うと面白い事になる。これは、そんな演奏だ!テンポの速い事がスケールを小さくする原因では無く、寧ろ巨大な造型を描くのには驚嘆するばかりである。極大と言っても良い位である。細部もよく練られており不足も無い!研ぎ澄まされた第1楽章、突進する第2楽章も素晴らしい!だが単調では無く、トリオの憂愁がしなやかに表現される時に巨匠がブルックナーに対する愛情さえ感じさせる。第3楽章の沈鬱した深い表情表現も巨匠ならではの音楽美である。終楽章も正に爽快で、どんどん突き進む豪快さが凄い!巨匠と言えば、処々に掛けるアッチェレランドも凄まじいが、フルトヴェングラー並に軌道を脱する勢いにも関わらず不自然さが無いのが不思議だ!これが近代古典派との違いなのかと思ってしまう!それは、巨匠の音楽観が古典派では無いと言う事なのだろう!巨匠は、ワーグナーも得意にしているが、造型感覚が、どうも違う様である。だから猛烈なフィナーレのアッチェレランドでさえ受け入れられる不思議さが在る。これは、嘗てLDでも出ていたが、最近DVDでも再販したので改めて見直すのも手である。



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タグ: NHK 演奏会 豪快

2010/4/29

ワルターの復活  指揮者


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PHLIPS CBS-Columbia ABL 3245/3246 2LP


これは、ステレオ初期の歴史的名盤と言われている演奏で、ワルターの初めてのステレオ録音である。残念ながら小生所持のレコードは、当時に平行して販売されていたモノラル盤だが、音質は良い!まだステレオ装置が普及していなかった頃は、そんな事は珍しく無いが改めてステレオ盤で聴きかえすと印象も変わる事だろう!だが音響効果が無い分、聴く側も集中力が増すのも当然な事である。それで久しぶりに聴いてみようと引っ張り出してみたものの何故かマーラーは気が思い!同じ長くてもブルックナーは、然程抵抗が無いのに不思議である。楽団は、ニューヨーク・フィル、ソプラノは、エミリア・クンダリ、コントラルトは、モーリン・フォレスターで、ウェストミンスター合唱団の合唱指導は、ジョン・F・ウィリアムソンである。収録は、1957年と1958年のテイクで編集されている。針を降ろすと思わずドキリとする程の緊張度が在るが、クレンペラーの様な強烈さは無い!流石、弟子だけ在って入念な展開を聴かせる演奏に成っている。それでも鬼気迫る楽曲の特質は表われており、精神的な急落の激しさは伝わる。説明的では無いが熟練した表現とも言える。各動機は、丁寧に扱われており、聴いているだけで曲の構成が理解出来る程の明快さが在る点ヘ評価出来る。つまり感覚的な発想で指揮をいていないと言う事だ!造型も完璧と言っても差し支え無い程で何故造型重視のベートーヴェンが不出来なのかが理解出来ない!やはり師匠の作品は別格と言う事か?特に第3楽章は、完璧と言っても差し支え在るまい!全体に男性的とも言える逞しさを感じるが、愛らしい純情さえ漂わせるのは感心する。第4楽章は、フォレスターの歌唱が深く説得力も充分である。余り分裂気質を感じない楽天的なマーラーでもある。ニューヨーク・フィルも好演を聴かせる。終楽章も同様だが、合唱が、かなりアメリカ的とは言えオケの特質とも一致しており見事な一体感を聴かせる。もう少し鮮明に録られていればと多少の不満も在るが仕方無かろう!だが最後の高揚感は素晴らしく壮麗な終止部に巨匠の精神を見る思いだ!

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2010/4/29

賛否も含むクナッパーツブッシュのワーグナー  指揮者


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Toshiba EMI Westminster IWA-93185B 2LP


米・ウェストンミンスター・レーベルが東芝EMIから発売されていた事が嘗て在った。流浪のレーベル然りである。室内楽曲に名盤の多いレーベルだが、現在は、MCAに統合されている。クナッパーツブッシュのワーグナーは、既に定評が在るが、個性濃厚の為に賛否も多いのも確かである。だが個性こそは芸術の根源である。何もお金を賭けて迄、素人を聴きに行きたいとは思うまい!この「ワーグナー・アルバム」は、巨匠の75歳の誕生を記念した物だと思っていたが、ワーグナーの生誕150年の記念も兼ねた録音で在った!収録は、1962年11月で、楽団は、ミュンヘンフィルである。「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の第1幕前奏曲から聴いてみる。一点の曇りも無い響きで颯爽と始まる。処が、すぐ遅くなるのが巨匠らしい!気が付くと豊麗なゆったりとした暖かい演奏に成っている。旋律は大切にされており有機的な響きが素晴らしい!そして曲は壮大に終わる。次は「トリスタンとイゾルデ」第1幕の前奏曲と愛の死である。官能と言うよりは、素朴な響きで、そおっと始まる。ねっとりした表現と言うよりは情感の深さを感じる序曲である。それも淡々と迫ってくる。そして気が付いた時には、すっかり夢中に成って聴いている演奏だ!心の隙間に入り込む演奏と言うべきか?愛の死の情愛の深い表現も良い!「タンホイザー」の素朴さは、冒頭の木管から明らかだが、ここでも旋律は丁重に扱われており、堂々とした金管の調べににも聴くべきものが在るが、そんなに速くないアレグロを重たく感じる人もいるだろうが、少しも濁らず明瞭である。基本は素朴な印象だ!弦楽器の音が優しい!ここまで聴いて気が付いたのだが、晩年のカール・ムックのテンポにそっくりである。それを遅いと感じるか素朴と感じるかで評価が分かれる演奏だ!終止部も深々としており巨大な締め括りだ!そんな壮大な演奏を聴いた後は「ジークフリートの牧歌」が癒される。これは終始素朴な端麗な演奏で響きも暖かい!これは難しい事を言わずに只、聴いていたい!「さまよえるオランダ人」序曲は、全ての物を飲み込む様な壮大なオケの響きが最高だ!演奏もドラマティックで凄まじい嵐の情景が浮かび、迫り来る海の怖ささえ感じる。「ローエングリン」の第1幕前奏曲もある。とても繊細で優美だが、これも素朴な印象だ!テンポは意外と早めである。クライマックスが壮大なのは、巨匠ならではだ!「リエンツイ」序曲も在る。冒頭のトランペットは、過度に輝かしく成らずに丁度良い感じだ!そして高貴な雄大な響きが印象的だ!主部も堂に入った表現でローマの護民官であるリエンツイの品格が浮かぶ様で在る。終始急がず焦らずなのだが、緊張感が少しも緩まないのが素晴らしい!最後に「パルジファル」の第1幕の前奏曲が入っている。テンポは速めだ!だがオケの合奏能力の限界か指揮に問題が在るのか些か雑な印象を受ける。演奏も陶酔させる迄行かないのは残念である。それでも壷は流石に抑えているのは、十八番なのかとは思うが?巨匠の特色は充分伝えているレコードでは在る。



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