2010/5/30

トスカニーニのファイナル・コンサート  指揮者


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ATRA-3008 USA 2LP


最近、正規盤が、何故か日本のレーベルから発売されたが、版権は実際の処、RCAに在る筈である。従って、どの様な経緯で発売に相成ったかは不明だが、良好な音質で聴ければ在り難い!このレコードは初版盤だが、これも、どの様な経緯で音源が洩れたか不明である。だが正規盤では無いのでマスターからカッティングされたとは信じ難い!たぶんマスターからの違法コピーであろう!これは、トスカニーニ最後の演奏会と成った記録である。収録は、1954年だが、ステレオ録音されている。それもRCA社が関与したものなので正真正銘のステレオ録音である。尚、この4月4日の演奏会の前の3月21日の演奏会もステレオで収録されている。録音の目的もRCAビクター社が、ステレオ・レコードのデモンストレーション用に音源が必要だったのでテストも兼ねて収録したものである。前日のリハーサルもステレオで収録されているが、巨匠らしくないミスを犯し、自身の間違いに気付かず癇癪を起こして出て行く様は、とても痛々しい!続いて演奏会の音源だが、最初に収録されている「ローエングリン」第1幕の前奏曲の美しい弦の音に魅了されるが、空間も感じ、これは本当にステレオなのだと実感する。余り調音せずにカッティングされたかの音質である。勿論、音場が然程広いでも無いのだが、ふたつのスピーカーの間にオケが、しっかり定位する。楽器の位置関係も解かり、モノラルでは無い実感がある。「森のささやき」も快演だが、巨匠のワーグナーが意外とスケール壮大に聴こえるのは、何もステレオで収録されているのだけが理由でも在るまい!NBC交響楽団のRCA録音は実際の巨匠の姿を伝えていない様にも思えて成らない!次にリハでもめた「神々の黄昏」から夜明けとジークフリートのラインの旅が在るが、これが巨匠らしく無い破線を招いた演奏で痛々しい!問題の「タンホイザー」序曲とバッカナーレも例の箇所迄は秀演である。何よりもスケール感が凄い!しかし怒涛の大音響で凄い迫力のバッカナーレが終り「岸辺に近づきましょう!」の合唱に辺る部分の前で燃え尽きてしまった!その後は知っての通りである。とても痛々しくて聴いてられないが、これもドキュメントである。それでも持ち直し、最後の「ニュルンベルクのマイスタジンガー」の第1幕前奏曲では、楽員が、何かを悟った様な趣で演奏をして終わる。余白に、1934年のザルツブルク音楽祭の音源から「ジークフリートの葬送行進曲」がウィーン・フィルとの演奏で聴けるが、この楽団と巨匠の結びつきが戦後に無いのが惜しまれる様な秀演を聴かせる。音が古いのが残念である。

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2010/5/30

名盤に成れない代表盤?  器楽曲


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Polydor Japan MG1040(2530 659) LP


マウリツィオ・ポリーニのポロネーズ集である。このレコードは、ポリーニの代表盤とされているが、何故か市場では名盤扱いされていない物でもある。収録は、1975年の11月21/27日に行なわれた。今や巨匠とも言えるが、彼は、1960年に行なわれたワルシャワ・ピアノ・コンクールで優勝した事でも知られている。イタリア人では初であった。初期のレコーディングもその頃にEMIで行なわれたが、ほんの数枚残したのみであった。本格的にレコーディングを再開したのは、DGGの契約以降の事である。その中にショパンが在るのは言う迄も無かろう!これは久々のレコーディングと言う事も在って、完璧を目指した事は明白であろう!確かに技術的な難点は無く、どんな難所でもサラリとこなすのは流石である。そこに表現力の不足が指摘されるのは当然である。だが、どんなに細かい音にも細心の注意が払われているので、寧ろ客観的に楽曲を見つめているとも言える。これは私が最初に持ったポロネーズ集だが、最初から聴いているので、その批評は、後から専門誌を読んで知った事である。自身では、癖の無い素直な表現で何の不足も無いが、聴き込んだ愛好家には、個性不足と認識されても仕方無かろう!

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2010/5/28

バックハウスとシューリヒト  協奏曲


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King London MX 9017 1978 LP


戦後に再録したバックハウスのブラームスのピアノ協奏曲第2番である。このレコードは、その後のベームが指揮した盤の影に隠れているのが惜しいが、これとて聴くべきものがある。楽団もウィーン・フィルで共通している。収録は、1952年5月である。まるでアルプスを想い浮かべる程のホルンの音が美しいが、バックハウスも往時のテクニシャン振りが随所に残っておりエレガントでも在る。シューリヒトの伴奏も引き締まっており無駄が無い!双方、力強さの中にも感覚で勝負している面も在り、音色も美しい!ベームとの時は、あんなに無骨なのにと思ってしまう!それは第2楽章にも言える事だが、バックハウスの切れの良いピアノの音色も冴えており、後年とは比べられない魅力が在る。勿論、緊張度も高く、聴く方もエネルギーが必要な位だ!第3楽章は、慈愛に満ちた音色が耳を惹くが、独奏のチェロも同系であり、しみじみと歌う旋律は素敵である。淡々としたピアノの音色も綺麗だ!ベーム盤とも違った別の魅力も在り、捨てがたいものが在る。下手な批評は要らない位の演奏だ!終楽章は流石にオケの底力と言うか迫力も凄いが、冒頭の流麗な魅力は少しも損なわれていない!各所で美点が光るのは、シューリヒトが即興的な要素を常に持ち合せている事の証明だが、感傷的だがスッキリした様式に助けられている面も大きそうだ!ニュアンスに対して細心であり、アクセントも美しい!それはオケも同様だ!終止部も充実しており、ベーム盤を聴かなければ、これでも充分、満足出来る演奏で、モノラルの同曲のレコードでは名盤と見ても良いと思う!

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