2010/6/4

クレンペラーのモーツァルト  指揮者


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Toshiba EMI EAC-40044 LP


多くの奇談を残す巨匠だが、演奏もそうかと言うと確かに特色も在るが、どちらかと言うと風貌等のイメージからデーモニッシュな音楽をする人の様に思われている様である。確かに奇談の数々から変わり者のレッテルを貼られているとは言え、実際に聴いてみれば、そんな事は単なる事実無根で在る事も解かる。このモーツァルトとて、そんな印象だが、これもデーモニッシュな演奏等と評されたレコードである。25番の交響曲は、映画「アマデウス」の御蔭で、在る程度の有名曲に成った感が在るが、名演盤も多く色々な演奏を耳にされた方も多かろう!しかし巨匠と言うとベート−ヴェンやバッハの印象が濃いのでモーツァルトは、意外と聴かれていないのが現状では無いかと思う!針を降ろすと非常に鋭い音楽が聴こえてくる。それも禁欲的な無駄の無いものだ!その姿勢は曲の本質に迫ろうと楽譜の中に在るメッセージを伝えようと内容を曝け出そうとしているのが解かる程だ!第2楽章を聴いても優美なものを決して求めてはいない厳しさが在る。メヌエットの毅然とした姿勢も素晴らしい!木管が生きているのは巨匠ならではの特色である。終楽章も鬼気迫るものが在り、何かバッハに通じる様な厳格さが在る。次にK546のアダージョとフーガが収録されている。冒頭は暗黒の闇に引き摺り込む様な怖さの在る響きで強烈で、造型も厳しく軟弱さも無い!これもバッハの目から見たモーツァルトを思わせる処が在る。とても劇的な演奏である。こちらの表現こそデーモニッシュと言うべきであろう!このアルバムは全てフィルハーモニア管弦楽団が演奏してるが、B面のみがニューフィルハーモニア管弦楽団との表記がある。29番の交響曲から収録されているが、曲に対する姿勢は同様だが、こちらは曲の性格上、純度が高く感じられる。天衣無縫とは、この事かと思わせるものも在り、天上に昇る程である。アンダンテの優雅な響きは曲本来の魅力では在るが、響きに対するニュアンスが微妙で、やはり繊細である。高貴なと言った方が良さそうである。第3楽章も同傾向だが立体感が在り、とても構築的である。ここに造型感の確かさを聴く事が出来る。それは終楽章にも言える事で誠に見事である。最後に「コジ・ファン・トゥッテ」序曲が収録されている。この曲で名演を求めるのは難しいが、巨匠の造型に難なく乗った安定性の在る演奏であると言える。

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