2010/6/18

メンゲルベルクのマーラー  指揮者


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PHILIPS PC-5553 (6551 165) LP 1978


マーラーと言えば、メンゲルベルクの名が浮かぶ程だが、意外と其の作曲家のレコーディングが少なく、交響曲もこのレコード位しか無いのが残念だが、それでも個性が伺えるのが幸いである。巨匠のテンポ感は、特色の在るものだが親しかったマーラーのテンポ感に類似する事は、指摘もされていたが、演奏様式が酷似していたとされるO・フリートの喇叭吹込み時代の全曲録音で在った第2交響曲のレコードを聴いても明らかであろう!急落の激しい解釈は、B・ワルターの初期録音でも明らかである。さて、このレコードだが、収録は、1939年11月9日に行なわれたアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の定期演奏会の記録音源が元に成っているが、年代を考えれば鮮明な音質と言える。曲は、第4交響曲、ソプラノ独唱は、ジョー・ヴィンセントである。さて演奏だが、冒頭から旋律が粘り気味に進むので抵抗の在る人も居るだろう!細かくテンポが動き何処を取っても巨匠の個性満開である。現在は、ここ迄特色の在るマーラーも聴けないだろうと思うが、これが巨匠の方法論なのだから仕方無かろう!巨匠は、リハーサル前のチューニングも念入りに時間を掛けたそうだが、神経質な感じは、この演奏からも伺える。しかし、この曲の持つ室内楽的な様式は再現されており、巨匠の個性が曲の特性を潰す事が無いのは、如何に愛情を持って作品に接しているかが解かろうと言うものである。それとこれは録音のせいかも知れないが、意外と色彩感が抑えられノッペリしている。だが弦楽器のパートは、非常にしなやかに扱われている。第2楽章も解釈上、然程前楽章と変わり無いが如何にも手馴れた老巧な味わいが在る。続く第3楽章は、ルバートの扱いに特色が在り、濃厚な表情を聴かせる。ポルタメントも多用されるので一層浪漫的な色合いが濃い!終楽章は、冒頭から凄い迫力だが、色彩感が、もっと在っても良いだろうとも思う!徹して、この曲の持つ室内楽的な面を強調してるかの様である。だからソプラノの入りも自然に受け入れられるが、歌うヴィンセントが巨匠の解釈に尽いて行くのに難儀している面も否定出来ず、個性が必ずしも徹底出来ないもどかしさも在る。だが天国的な美しさは再現出来ている様にも思える。巨匠は戦時中、ドイツの国策レーベルであるテレフンケンの看板指揮者で在ったので録音数は多いが、政治的要因の為にマーラーが御法度だったのが残念である。

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