2010/7/10

バリリ弦楽四重奏団のベートーヴェン Vol.8  室内楽


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NIPPON CLUMBIA-Westmister OW-8008-AW LP 1976


ウェストミンスター・レーベルが、日本コロムビアで発売されていた時期のレコードである。極めてウィーン風の四重奏団だが、今と成っては説明の必要も在るだろう。ワルター・バリリが次席コンサートマスターに就任したのは、1938年で、コンサートマスターに就任したのは、1951年である。ウィーン・フィルの主席奏者を集めて四重奏団を組んだのは、大戦後の1945年の事である。そして、この弦楽四重奏団は、1959年迄続いたが、原因は、バリリが、右腕に障害を患った事が、解散に至る要因だそうである。メンバーも実は固定では無く、入れ替えも在ったが、幸いにも初期メンバーで残した録音も数々在り、ここで紹介するベートーヴェンの弦楽四重奏曲も、その一連である。その前にメンバーだが、第1ヴァイオリンが、ワルター・バリリ、第2ヴァイオリンが、オットー・シュトラッサー、そしてヴィオラが、ルドルフ・シュレトンクとチェロのエマヌエル・ブラヴェッツと言う歴史に名を残す名奏者である。演奏を聴いてみよう。曲は、第13番変ロ長調op.130である。針を降ろすと何処と無くウィーン風とは、こんなものかと感じさせる特色の在る演奏で、音色も流石、「ウィーン・フィルの奏者ばかりなのだな?」てな印象を与える。そこの首席奏者の四重奏なんだから当然だが、鋭く明確に斬り込みながらも鋭角的な表現に成らずに情緒を残す処なんぞ、聴いていて思わず「いいな!」と感じてしまう。第1楽章は、正にそんな感じで音楽が目の前に迫ってくる。第2楽章の緊張を孕んだ表現も素晴らしいが、第3楽章の暖かく、しなやかな演奏もいいものである。第4楽章は、舞曲風の楽想なので、本元の楽団で、ポルカでもやってる時の印象が、そのまま結び付くのが面白い。第5楽章も美しく、この曲一番の聴かせ処が充分に堪能出来る。そして終楽章の活気在る演奏は、とても力強く、只、優雅なだけでは済まないウィーンの音楽家魂を感じさせる。カップリングは、大フーガ変ロ長調op.133だが、オーケストラを思わせる様なスケールの大きい表現である。前者もそうだが、後期の作品は、どこか浪漫的な雰囲気を漂わせ格調も高い。

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