2010/7/18

NBC交響楽団のベートーヴェン・チクルス Part.2  クラシック


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NUOVA ERA 243/48 6CD 1989


交響曲第3番、所謂「英雄」だが、曲の構成上、バランスが悪く作曲家自身も些か未消化な形式感が在るのは御存知の通りであろう!それは、近代浪漫派を身に纏った前半2楽章に対し、後半が古典派であるのが原因だが、実際に演奏する場合、断固とした造型が指揮者に無いと後半2楽章が極度に肥大してしまうか、後半の様式のズレを抑える為に前半を古典的な解釈を求め、曲の持つ壮大な魅力を半減してしまうだろう!だが音楽は、形式主義に則っているのが原則なので、この楽曲は、如何に異端であるのが解かろうと言うものである。トスカニーニは、ノイエ・ザッハリヒカイト(新即物主義)の先鋭と現在では知られる処だが、楽曲の在るべき姿を再現する原典主義で在る事は承知の通りである。だが、それも優れた造型感在ってこそである。幸い巨匠は、その点は、万全であるので、この手の曲も安心して聴ける。さて演奏だが、冒頭の和音が鮮やかに鳴り出した途端に全く無駄を感じさせない厳しい姿勢に圧倒される。全ての音符が自身の役目を果たしている確実な演奏だ!つまり、どの曲に対しても接し方は変わらないと言う事である。こんな古い録音からも各楽器の声部が明確に聴き取れるのには恐れ入るが、これは巨匠が音響に対する感覚が如何に優れているかの証明であろう!颯爽としたスピード感は、正に絶好調である。だから第2楽章も葬送行進曲と言う表題に囚われず、曲の構成を明らかに再現する事で内容が浮き立つ立派な表現で曲に奉仕しているとしか言い様が無い!ここでも時に唸り声が聞こえる程、音楽に没頭している。続く第3楽章ダレる事無く快適に進み、響きには全くの澱みも無い!鬼の様な推進力も凄まじい!終楽章も集中度が高く、まるで嵐の様に始まる。時にもう少しゆとりが欲しいと思う処も在るが、流石に巨匠は規律正しく、その姿勢を崩す事は無い!演奏も第1楽章の内容に劣らず同様の緊迫感が在るのは素晴らしい!終始部も見事に決まっている。このCDも余白に序曲が入っている。最初は「エグモント」である。些か割り切り過ぎた冒頭の和音は明るく集中度は在るが主題の持つ深鬱さに欠ける。しかし主部は落ち着いており慎重である。これも終始部に向けての推進力が凄い!次は「コリオラン」である。これは機械が演奏している様な演奏で巨匠の特色が少々裏目に出た印象が在る。冒頭が特にそうで音楽に潤いが欲しい!テンポは意外によく動くので、続に言われるイン・テンポの指揮者では無い事が解かり興味深い演奏でもある。収録は、1939年である。


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2010/7/18

NBC交響楽団のベートーヴェン・チクルス Part.1  クラシック


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NUOVA ERA 243/48 6CD 1989


トスカニーニが、NBC交響楽団の音楽監督に就任したのは、1937年の事だが、巨匠は、3シーズン目で始めてのベートーヴェン・チクルスを組んだ!これは、伝統的なチクルスでNBCはラジオ放送と同時に録音もした訳だが、巨匠の没後に海賊音源から種々のレコードが発売された。これも例外では無く、イタリアのNUOVA ERAと言うレーベルから発売されたCDである。古くは、米.トスカニーニ協会からもLP全集が在った事を御存知の方も居られるだろう!しかし現在は、ナクソス・レーベルからようやく正規盤が発売されているので、これで聴き直すのも手である。さて講釈は、これ迄として演奏を順番に聴いてみよう!始めに第1番だが、これは年代のせいも在り、BBC交響楽団を指揮したEMI録音と演奏内容が類似しているのは、仕方無かろう!序奏から強い意志を感じる演奏で推進力が物凄い!この辺は実演ならではと言う気がする。些か縦割りでキッパリとした造型だが、常に音に意味が在り、とにかく猛烈である。時に巨匠の唸り声も聴こえ集中度も高い!全体を通し気字壮大な快演である。次は、第2番である。序奏から聴く者の姿勢を正す程である。慎重だが神妙では無い感じだ!そして主部は、絶妙のコントロールで突入して行くのが素晴らしい!巨匠の特色として刃金のカンタービレなる言葉が在るが、それを強く感じるのが第2楽章である。これは、ベルカント・スタイルによる語法なので、依りそれを感じるが、優美に媚びる事無く旋律が自らを主張するのは見事である。それと造型感覚が、いい加減だと無残な状態と化す第3楽章も流石に神経が行き届いている。終楽章も然りである。


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