2010/7/25

NBC交響楽団のベートーヴェン・チクルス Part.6  クラシック


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NUOVA ERA 243/48 6CD 1989


1939年のNBC交響楽団によるベートーヴェン・チクルスの紹介もようやく終りに辿り着いたが、久々に交響曲を続けて聴いてみて、やはり偉大なのは、ベートーヴェンと感心してしまった!嘗てのLPレコードの時代は、しっかりとしたカートン・ボックスに収容されて買い求めた後にレコードの重さを感じ取りながら抱えて帰ったのが、懐かしい交響曲全集だが、現在では、CDの重量感の無いケースに入り、値段も下手すりゃ¥3000以内で買える時代で、価値観の違いにも驚嘆する程だが、指揮者の登竜門と言われたベートーヴェンの交響曲の価値も些か低迷気味なのが残念である。それでも近年は、「のだめカンタービレ」の御蔭で第七交響曲が普段、クラシック音楽を聴かない人にも広まったのは、実に喜ばしい事で在る。しかし交響曲全曲を聴いてみればこそ偉大な事も解かるので、それをキッカケに聴いたビギナーの方には、他の曲も聴いて欲しいものである。さて、この第九の演奏だが、古楽器演奏の同曲が聴かれる前には、余りの快速テンポに驚嘆されたものであった!何せ第1楽章が、12,11、第2楽章が、12.27、そして第3楽章が、12.55、終楽章が、22.56、と言う演奏時間である。そして演奏のアプローチも古楽器演奏に近似しているのが興味深い!つまりトスカニーニは、現在の古楽器に於ける演奏を現代楽器で再現したかった人なのでは無いかと思う!ここから聴いた感想に触れるが、まづ独唱者は、ヤルミラ・ノヴォトナ(S)、ケルスティン・トルボルク(A)、ジャン・ピアース(T)、ニコラ・モスコーナ(Bt)とウェストミンター合唱団による合唱である。第1楽章は、既に序奏から速く最初から突っ走っている。勿論、演奏速度だけでは無く、リズムの刻みも厳しく突進して行く様は、凄まじい!だが決して一本調子では無く、楽想によっては、テンポを緩めているので単調な演奏では無い!常に響きが熱っぽく緊張度も凄い!第2楽章は、巨匠のリズム感が如何に優れているかが解かる演奏内容に成っている。後年のレコード用の演奏よりも推進力の点でも勝っている。これも強い意志によって構成された厳しい造型の中に成り立っている。第3楽章は、冒頭から神妙に始まり、ここは、やっぱりそうだろうな?と思っていたら、気が付いた時には、相当な快速テンポに成っていたと言う演奏だ!だが旋律は、悠々と歌っており、刃金のカンタービレと揶揄される巨匠の特色が伺える。しかし、こんなに速くても慣れると気に成らないのは、元々の巨匠のテンポ感が、この速度で標準だからであろう!終楽章の冒頭も嵐に様に吹き荒れて目眩がする程である。アクセントもキツく引っ掻く様だ!例の低弦で始まる歓喜の主題も句読点がハッキリしている。そして徐々に膨れ上がり高らかに歌い上げる頃には、もう凄い状態である。バリトンの入りも完璧で、ニコラ・モスコーナも悪くも無い!他の独唱者も小粒だが、良く纏まっている。ウェストミンター合唱団は、絶唱だが、律儀に詩の句読点を区切って歌っているのが、面白い!(ドイツ語の発音対策であろうか?)ジャン・ピアースも素晴らしいが、巨匠の造型は、引き締まっているので程々のスケール感で丁度良い!終始部の熱狂振りも実演ならではである。音質が、もう少し良ければと残念である。余白に「レオノーレ序曲第2番」が収録されている。冒頭の熱い響きから惹きつけるものがある。序奏部は、慎重で在り、中々の緊迫感が漂う!結晶化したフォルテシモの響きが素晴らしく、主部の雄弁な表現も何も言う事無く名演だと思う!

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