2011/1/30

エーリッヒ・クライバーの復刻盤  指揮者


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Kig-Telefunken MZ 5097 LP 1972


これは、エーリッヒ・クライバーが、ドイツの国策会社である。テレフンケンに録音したものを復刻したLP盤である。しかし疑問に思うのだが、反ナチスとしてナチスに追われた巨匠が、何故、テレフンケンで数多くのレコーディングをしているかと言う事である。その理由は、調べてみる必要が在りそうだが、此処では、妙な詮索はせずに素直に演奏の感想を述べよう!A面にシューベルトの当時は、8番と言われた未完成交響曲、B面は、ベートーヴェンの2番の交響曲である。順番通りシューベルトから聴いてみる。楽団は、ベルリンフィルである。巨匠の演奏様式は、ウィーン風との風評も在るが、実際には、ベルクの「ヴォツェック」やミヨーの「クリストファー・コロンブス」等の現代音楽の紹介にも力を入れており、ストラヴィンスキーもレパートリーにしていた。つまり当時の新即物主義の洗礼も受けており、演奏様式については、一筋縄では無い!敢えてウィーン風と言うのは、趣向が巨匠のセンスに合っていたと言うだけかも知れない!このシューベルトもその部類である。さて演奏だが、序奏部分は、それなりの重さを感じるものの軽やかな足取りで小気味良く進む。そう言った点で、かなり現代的なセンスの演奏である事が解かる。だが速いテンポの中でも各主題の描き分けが出来ており、聴く者を飽きさせる事も無い!テンポも聴かせ処は緩めているので単調に成らないのも良い!終始部もアッサリ終わる。その代わり第2楽章は、テンポをじっくり落とし優美に歌っているのが巨匠らしい!アクセントの付け方も洒落ている。変に感傷的に成らないのも良い!壷もしっかり抑えた演奏だ!明確だが柔らかい演奏だ!そして名残惜しく曲は幕を閉じる。次は、ベートーヴェンである。作品としては、ハイリゲンシュタットの遺書を書いた様な時期の曲だが、曲自体は、春の喜びと言うか青春への賛歌の様な印象の在る交響曲である。2番は、元々そんな印象の曲だが、これも巨匠の音楽性と相まって見事な調和を聴かせる。楽団は、ベルギー国立管弦団との表記がある。序奏からセンスの良さを感じる演奏だ!何と言っても弦が良く歌う!巨匠としては、SP盤の時代に関わらず2回目の録音だが、再録に踏み込んだのは、其れなりの意志が在ったのだろうと思われる程、旋律が雄弁に歌われる。此処でもリズム感の良さが充分発揮されており、聴いていても心が弾む!そして第2楽章は、これがウィーンフィルだったら?とif文でものを考えてしまう程、優美である。優しいハーモニーに満ち溢れた演奏と言えば、解かってもらえるだろうか?木管共々良く歌うので、難しい事を言わずとも充分感動的である。ホルンの生かし方も気が効いている。感情の高まりと共に音楽が豊かに成るのも良い!第3楽章は、作曲当時は、終楽章と並び、前衛音楽でも在った訳だが、そんな特色よりもユーモアを感じる。これも各動機との交差が見事で、此処でもリズム感の良さがものを言ってるのが解かる。そして終楽章は、小気味良くサラリと進む。もう少し追い込みが凄ければ更に効果的とも思えるが、それでも終始部の畳込むリズムは巨匠らしい!最後に復刻の音質だが、悪くは無いものの高音域にもう少し明瞭さが在ればと惜しまれる。追記するが、シューベルトも再録である。

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2011/1/28

ムラヴィンスキーのプロコフィエフ  指揮者


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Victor Japan-Melodiya MK-1080 LP 1975


エフゲニ・ムラヴィンスキーが振ったプロコフィエフだが、レコードとなると極端に少ない!実際の演奏会では、どうだったのか気に成る処だが、シュスタコーヴィッチのスペシャリストとして知られている巨匠とは言え、プロコフィエフも巨匠向きと思われるだけに録音が数える程しか無いのは、誠に残念である。此処では、6番の交響曲を紹介しよう!因みにこの曲の初演は巨匠が行っている。1947年10月11日の事であった。楽団は勿論、レニングラードフィルである。現在は、サンクト・ペテルブルクフィルと名を改名しているのは御存知の通りだろう!この曲の初演時の批評は「難解さと耳障りな音響に当惑してしまい、戸惑ってしまった。」と言うものだったらしい!それは、作曲家の友人であったミャスコフスキーでさえも「私は、3度、この曲を聴いてようやく其の深遠なる美しさを理解し感動した。」とあるので誠に然も在りなんと思う!私が始めて聴いたのは、冨田勲の「宇宙幻想」と言うレコードで、曲の一部が、シンセサイザーで演奏された編曲版だったが、とても妙な印象を受けたのは確かである。しかしながら妙とは言え妖艶な魅力を感じたのも確かで、初めてオケで、この曲を聴いた時には妙に納得した思い出がある。さて此処からレコードの感想に触れるが、この演奏は、初演から11年を経た1958年の演奏である。その録音年代に関わらずモノラル録音なのが残念だが、放送録音からのレコード化とも思われ仕方在るまい!実は、欧州の放送局が、全てステレオ化されたのは、実は、1965年位からであった!たぶんハード面の整備に合わせたのも其の理由に辺るだろう!NHKは、1956年からステレオ録音の形跡が見られるが、欧州の局が遅れていたのでは無く、NHKが、世界に先駆けていたと思えば良い! 針を降ろすと冒頭から金管のオクターヴが、如何にも悲劇性を表すが、オケは絶妙なコントロールで、微妙な心の動きまで見える程である。第1主題は、ロシア的な憂愁さを讃えている。終始、淡々とした無駄の無い禁欲的な響きは巨匠ならではだが、悲劇的な変奏を聴いていると戦漂を覚える程である。展開部では「戦争の凶暴さ」を表しているらしいが、其の厳格な表現には慟哭を覚える。第2楽章である。強奏される不協和音で始まる冒頭は、不安を表しているのだろうか?此処でも曲の持つ悲劇的な要素は拭い切れない!巨匠のの表現が、殊更強調されている訳では無いのに強烈な印象を受けるのは、微妙な音の動きでさえも見逃さない厳格なオケの統制が取れていると見ても良いだろう!最近、こんな完全主義的な演奏は聴けなくなった!時に聴く者が身動きが取れない程の緊張度の高い響きが聴こえる。弱音効果も色合いが完璧である。是までが強烈な曲想だったので終楽章は、とても気楽な陽気さが在ってホッとする。時に暗雲が立ち込めるが、快適である。此処でも巨匠は、手綱を決して緩めないので、とても引き締まった響きが聴こえる。そして終始部は、突然暗雲の中から巨大な悲劇が舞い落ちる様に終わるが、そこで一瞬金縛りに遭った様な印象を受ける。

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タグ: ロシア ソ連

2011/1/27

カラヤンの全盛期  指揮者


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Polydor Japan MG1123 LP


最近、ふと頭の中を過る曲が在る。それは、ベートーヴェンの英雄交響曲なのだが、何故か、頭に浮かぶのは、カラヤンの1975〜1977年に行われた交響曲全集からのものである。実は、カラヤンは、私にとっては、アンチの対象であった!そのアンチの対象について今更述べるのも不思議なのだが、何故か無性に聴きたくなる。だからポツリ、ポツリとレコードも増えているのだが、針を降ろす度に懐かしさを感じる。それは、単なるノスタルジィーも在るのだが、チェリビダーケも他界した現在、巨匠不在の現状に物足りなさを感じるのも事実である。若き日の巨匠が、フルトヴェングラーに睨まれ戦後は、冷飯を食わされたのは御存知の通りだが、ベルリンフィルの終身音楽監督に任命されてからと言うもの自らの信念に沿って邁進していた。そしてようやく型を築いたのが、1960年代と言う事になるだろう!1970年代は、完成期であったと判断して良かろう!巨匠は、ベートーヴェンの全集を4回残している。聴き比べると其の時代の変遷が垣間見られて興味深い!此処で紹介するのは、円熟期と思われる3度目の全集からのレコードである。曲は、先にふれた英雄交響曲である。収録年を見ると1976年5月7日と翌年の1月30.31、3月8日である。会場は、フィルハーモニーホールである。楽団は、勿論、ベルリンフィルである。ジャケット・デザインが洒落ている。私は、そう言うプロデューサーの拘りも好きなのだが、此処にも巨
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