2011/1/13

トスカニーニの新世界  指揮者


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Victor Japan LS2014 LP


モノラル期の名盤であり、ジャケットも有名過ぎる位、有名なので、何を今更と言うレコードなのだが、有名過ぎるのが災いし、聴いてもいないのにトスカニーニのイメージによる偏見から敬遠したり、定番有名曲過ぎて、曲自体を好きでは無い人もいるので当然だろう!かく言う私もそうで、ヴィヴァルディの「四季」やチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番等は嫌いな曲である。だが名盤と言われたものは、一応確認する理由で聴く必要もあるので購入する事もある。是もそんなレコードである。だから国内盤で、たまたま立ち寄った中古レコード店で偶然見つけたので入手に至ったと言う事である。此処にレコードが存在するのは、つまりそう言う事である。このレコードが販売された当時は、まだ5番と呼ばれていた「新世界」だが、シューベルトを例に取るように後に番号が変わった交響曲も多いが、当初のイメージと言うものは、中々拭い切れないだけに困ったものである。そんな事を嘆いていても始まらないので、このレコードの感想を述べるが、オリジナルである米国プレスの巨匠のレコードを聴いた事のある者からみれば、国内盤の些か生彩に乏しい音色は残念に聴こえる事だろう!それは、この盤とて例外ではないのだが、こんなものだと思って聴く他は無い!さて演奏だが、序奏は早く凝縮された印象を受ける。各主題の描き分けは、些か割り切られすぎの印象も受ける。つまり主題に付いてまわる思い入れなんてものは無縁の演奏である。主部も快調だ!そんな調子で第2楽章も進むので、この楽章に思い入れの在る人には向かない演奏だ!広大な大地が浮かぶ事は無い!久々に田舎に帰ったら農地が宅地分譲されて住宅商社のビルダーに成っていたり、奥にはジャスコでも建っている風景が浮かぶ!そして昔は、こうだった!とか言って偲ぶ感じの演奏である。それでいてフォルテシモは壮絶だ!だから第3楽章は怒涛の渦に巻き込む様な趣きが在り、大変煌びやかである。疾走する様は凄まじい!中間部のトリオで少し息が付ける。終楽章の勢いも凄いが、巨匠の演奏で有名な主題を聴いても通俗的に成らないのは不思議である。この曲が嫌いな人は、そこをべったりと演奏されると嫌気が差すのだろうと思う!まして大袈裟に誇張でもされたら最悪である。巨匠は、此処でも早めのテンポで飛ばすが、余計な不純物さえ取り去っている様にも思え、それでも音楽が満ち溢れているのは素晴らしい!伊太利亜式のカンタービレも此処では正解である。フィナーレは圧巻である。楽団は、NBC交響楽団だが、この曲は、ニューヨークフィル時代にも録音して欲しかった!

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2011/1/9

R・シュトラウス自演のサロメ  歌劇・楽劇


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KOCH SCHWAN 3-1453-2 2CD 1994


これは、ウィーン国立歌劇場で行われた公演を収録したものだが抜粋とは言え、歌劇場指揮者としての巨匠が、どの様なものだったかを聴けるので興味深い!年代的に全曲残っていても良さそうなものだが、これは、ある録音技師の個人録音なので、多くを期待するのは無理と言うものだろう!しかし歌劇場指揮者としてのR・シュトラウスを振り返った時に気に成るのが功績なんだが、それならと歴任した歌劇場を振り返ってみるとワイマール宮廷歌劇場では、音楽監督として1889年 - 1894年に務めているし、バイエルン宮廷歌劇場の音楽監督も1894年 - 1896年まで務めている。それと何と言ってもウィーン国立歌劇場総監督を1919年 - 1924年まで務めた事からも解かる通りに結構経験豊かである。巨匠の楽劇が素晴らしいのは、実は指揮者としての功績も大きいのは事実でもある。またバイロイト音楽祭の歴代指揮者としても其の名が確認出来る。このCDで聴けるのは、1942年の記録なのだが、「サロメ」が2月と5月の公演からとモーツァルトの「イドメネオ」が、1941年の12月の公演からの抜粋では在るが、其の指揮振りを偲ぶ事が出来る。まだ残っていても良い位ものだとも思われるが、元々レコード産業には興味が在ったのか録音も熱心に行っていたので、其れこそ喇叭吹込から聴く事が出来る。残念ながらディスコグラフィーが無いので全貌は計り知れないが、知っているものだけでも結構数が在る。だれか全録音をまとめてくれる研究家の御仁でも居ないだろうか?しかしながら此処で所有しているレコード等を紹介していくのも其の一貫に辺る事かも知れない!さて「サロメ」だが、音質は年代を考慮すると聴き易い部類である。冒頭のナラボートは、ヨゼフ・ヴィットである。ヨカナーンは、パウル・シェフラーだが、既に引き込まれるものが在って凄いと思う!巨匠自身の指揮は淡々と振っている様で劇的効果が自然と出るのは恐れ入る。サロメは、エルゼ・シュールホフである。初めて聴くが、とても主張の在る声だ!伴奏オケも優美さの中に激性を備えた表現豊かなものだ!この断片集は長くても7分程度で、殆んど4分位の 収録しかされていないのだが耳に残る演奏である。残念なのは、7つのヴェールの踊りが後半半分しか聴けない事だ! それでも妖艶さは伝わるが仕方なかろう!残っているだけでも良いと思うべきか?次は、モーツァルトの「イドメネオ」をに巨匠が手を加えたものだが、是は賛否が分かれる処だろう!そこでは、インテルメッツェオが聴けるが勿論モーツァルトのものでは無い!初めて聴いた時は、何だろ是?と思ったものだが、これは作品に対して少々異質なものかも知れない!演奏は悪くは無いが、違和感が先立つ!だからそれ以外の箇所を聴くと安心する。歌手は、イリアを歌うエルス・ボッヒャーが良い!巨匠の指揮のノリも良くモーツァルトの音楽が満ち溢れている。フィナーレは、8分間収録されているので其れなりに聴けるのは良いが、余りにも断片過ぎて「サロメ」の様に充分な感想を述べられないのが惜しい!聴いていて意外だったのは、歌手を相手に指揮した場合は、テンポが動く事だ!つまり歌手に合わせているのだが、この柔軟性こそが歌劇場経験の在る指揮者たる由縁だろうと感心した。尚、このCDには、2枚目にヨゼフ・クリップスの断片集が収録されているが、割愛する。余談だが、ケン・ラッセルの映画「Salome」は、オスカー・ワイルドの退廃芸術の真髄を明らかにしている。



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2011/1/3

密林の聖者  クラシック


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Toshiba EMI TOCE-6918/20 3CD 1991


アルベルト・シュヴァイツァーが、EMIに残したオルガン曲を集大成したCD集である。これは、J.S・バッハの曲目で構成されている。さてシュヴァイツァー博士と言えば、アフリカの赤道直下の国ガボンのランバレネにおいて、当地の住民への医療などに生涯を捧げた件でも御存知の方もおられるだろう!だから音楽ファンでなければ、博士がオルガニストで、数々の録音が残されている事も知らない人もいるだろう!何せ「生命への畏敬」への哲学などでも知られており、世界平和にも貢献し「密林の聖者」とまで呼ばれた御仁である。その業績は野口英世のように児童向けの偉人伝等で触れた人も居る事だろう!私も其の口なので、バッハの研究家で尚且つ録音が残っている事を知ったのも大分後の事である。博士は、1875年当時、ドイツ帝国領だったオーバーエルザスのカイザースベルク、(現在のフランス領アルザス・オー=ラン県のケゼルスベール)で牧師の子として生まれている。博士は、7歳の頃からピアノを習い、14歳の頃からパイプオルガンを習っている。これが、バッハの研究の下地となった訳だが、リセ(Lycée)(正確にはジムナーズ=ギムナジウム(Gymnase))を卒業後、シュトラースブルク(ストラスブール)大学に進学しており、神学博士・哲学博士を取得している。尚、哲学博士の論文は『カントの宗教哲学』との事である。

さて此処では、CDの紹介をするので、博士の功績は、其の位にしておくが、3枚に分けて収録されたCDを聴いていると、なんと慈愛に満ちた音楽が聴こえる事かと思う!特に其れを感じるのが、1枚目の衆賛前奏曲をまとめたものである。これは、私もお気に入りで、このCDを掛ける時には、必ずと言って良いほど聴いている。博士のバッハの解釈は、現在に於いては、評価が変わろうと言うものだが、確かに演奏精度に於いては、何かと物足りなさを感じる。だが淡々と色を付けずに進む演奏は即物的で、聴いていると作品の真の姿が見事に浮かび上がる事を目の当たりにする事だろう!だから2枚目のトッカータとフーガ.BWV.565 も大フーガ.BWV.578 もアッサリとしたものである。特にこの曲は、ストコフスキー張りにオルガンで大袈裟な演奏をする傾向に在るので、この様な作意の無い演奏も良いものである。それは構えの大きいトッカータ、アダージョとフーガ.BWV.564 も同様である。それは、3枚目に収録されている曲目も然りである。因みに気に成る音の状態だが、復刻は上々なので鑑賞には差し支えないのは嬉しい!是は、1935年と翌年に収録されたものを中心に構成されている。

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