2011/6/30

モーツァルトのアリア集  歌劇・楽劇


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CBS SONY SOCF 130 LP


このレコードは、全てブルーノ・ワルターが指揮しているものばかりであり、4名の歌手が、3大オペラのアリアを歌ったものを集めたものだが、 伴奏を勤めたものばかりなので、敢えて巨匠のレコードとしての紹介では無く、アリア集として感想を述べよう!歌手が、主役のレコードだけに仕方在るまい!曲は、「フィガロの結婚」と「ドン・ジョヴァンニ」「魔笛」から聴く事が出来る。それと後からオムニバスとして編集したものなので、収録年も統一されていない!だが音質は、意外と良好なので何の不自由なく聴ける。最初は、リリー・ポンスから始まる。フランス語訳で歌っているが、不思議と不自然さが無い!リリカルな歌唱は、聴く者を魅了するものがある。夜の女王の有名なアリアも聴けるが、流石に当代唯一と言われたコロラテューラ・ソプラノの面目たる存在感を示し見事だと思う!収録年は、このアルバムでは、一番古く1942年である。次は、エリナー・スティバーだが、フィガロのアリア、「楽しい思い出はどこへ」の気品と共に風格を備えた歌唱は、とても素晴らしい!此処には、ドン・ジョヴァンニから「何と言うふしだらな」も聴けるが、其の高貴な印象は。この人ならではと思う!収録は、1953年である。当たり前の事だが、現在と歌唱のスタイルが、全く変わってしまったのが解る。次は、バリトンである。最初は、ジョージ・ロンドンである。この人と言えば、即座にボリス・ゴドノフが浮かぶが、此処に収録されているフィガロの「もし踊りをなさりたければ」と「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」等は、この人らしい豊かで力強い歌唱が聴きものである。収録は、1953年である。尚、バルトロとアルマヴィーヴァ伯爵のアリアも収録されているが、声質から伯爵が合っており、「ため息をついている間に」で聴かれる風格も流石だと思う!最後は、エリオ・ピンツァである。収録年は、1946年だ!戦前で、フィガロ、ドン・ジョヴァンニと言えば、この人の当たり役であり、ワルターともザルツブルクで共演しているが、此処では、ドン・ジョヴァンニでもレポレロのアリアなのが少し残念!だが「カタログの歌」は、とても軽快で良いとは思うが少し控えめだ!魔笛からザラストロのアリア「この神聖な殿堂には」も聴ける。此方は、まだ良いが、やはり控えめに聴こえる。やはりこの人は、フィガロなのかなと思ってしまう!だから「もし踊りをなさりたければ」と「さあ眼をあけろ」の2曲に魅了される。この2曲では、水を得た魚の様に生き生きしている。だが、もっと弾けてもと思う処も在る。実演で燃える舞台人なのかも知れない!聴き終わって感じた事だが、CBSコロムビアにブルーノ・ワルターの正規の歌劇録音が無いのが惜しまれる。

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2011/6/29

ニューヨークのカスリン・フェリアー  交響曲


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NAXOS Historical 8.110029 CD 1999


是は、ニューヨークのカーネギー・ホールで行われたニューヨークフィルの定期演奏会の録音記録だが、収録時の1948年1月8日時点の米国の放送局は、まだディスク収録をしていたので、保存状態によっては、万全な状態で再生出来ないものも在るので仕方在るまい!まして其れが後に商品化される事も考える必要の無い単なる記録音源なので尚更と言うものだ!この演奏は、以前から聴けたものらしいが、私は、このナクソスから発売されたCDで始めて聴いた。其れで気に成る復刻状態だが、結果は、まあ此処まで聴ければ充分なのかな?と思う位の音質だった。針音も適度に抑えられており、年代から仕方ないと思って聴けば、そんなものだろう!さて此処から感想を述べるが、独唱者は、フェリアとセット・スヴァンボルムによる歌唱で聴く事が出来る。指揮は、ブルーノ・ワルターである。渡米してから混沌と活動をしていた巨匠だが、戦後に成り、ようやく調子を戻して来た時期の演奏だけに生気溢れる演奏が聴ける。曲が、マーラーと成れば尚の事だろう!第1楽章は、高揚する主題に乗せてスヴァンボルムの軽い歌唱が印象的だが、表現がしつこくないので聴き易い!イメージとしては、曲想から勇猛果敢な音楽を想像しがちだが、此処で凄いのを聴いてしまうと結構疲れる曲だと思う!だから声質が問題なのだが、過度に強力な声も必要無いだろう!だけど詩の世界観も充分に表現されているので私は、是で充分!第2楽章のほのかな情緒は、フェリアーのやや影の在る声に合っていて良いと思うが、意外と野太い声質なので賛否が分かれるかも知れない!私は、もう少しリリシズムの在る声質の歌手が其れに合うと思う!だが情感の点で確かに深いものが在るので、支持する人が居るのも理解出来る。このCDの音質も今ひとつなので尚更だろう!第3楽章は、東洋的な味わいに特色が在るが、此処でもスヴァンボルムの軽めで明るい声が、青春にふれて快活な若者の心情を表しており、間の良いワルターの指揮と共に聴き栄えがする。第4楽章は、フェリアーの声質が、余り気に成らない処か存在感が浮き立ち素晴らしい!ワルターの自在なオケのコントロールにも聴くべき点が大きくて、常にオケが、ものを言っているのを評価すべきだと思う!第5楽章は、第3楽章の流れみたいなものだが、スヴァンボルムの歌唱も雄弁に成っている。終楽章は、告別を作曲家が、曲に託したものだが、ワルターの深鬱なる伴奏にフェリアーも答えている。しっとりとした弦の音も良く聴き進むとフェリアーの表現にも情感が滲み出てくる。感極まったのか、歌唱が詰まる箇所か在る。音質が良ければ、評価も変わる演奏!カスリン・フェリアーの好きな人には、御薦めのCDだと思う!

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2011/6/28

編曲で有名に成った曲  管弦楽


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BMG Victor BVCC-1053 CD 1993


ムソルグスキーの曲で、「展覧会の絵」と言うと即座にオーケストラの音が頭をよぎる程だが、其の編曲を依頼した本人が、実際に振った録音記録が、是から紹介するCDである。此処まで書けば、御解かりだと思うが、指揮者は、セルゲイ・クーセヴィツキー、編曲は、モーリス・ラヴェルである。其の事も在ってか、初演の1922年から5年間は、巨匠に独占権が在った。其の権利が離れてからの件は割愛するが、是は、初演者たる巨匠が、主兵のボストン交響楽団を振ってRCAビクターに録音したレコードからの復刻である。収録年は、1930年だ!そして気に成る復刻状態だが、年代的に多くを望むのは無理だが、明瞭な方だと思う!しかしSPレコード本来の迫力は半減している。巨匠と言えば、譜読みが出来ない指揮者として有名な様だが、そんな人が、ボストン交響楽団を1924年から1949年までの長きに渡り、終身常任指揮者を務める事なんぞは無理と言うものだろう!もし仮にそうなら楽員に馬鹿にされて勤まる訳が無く、誤解を招く要因が後世に伝えられたと考えて良いだろう!実は、其の要因は、事実在った!巨匠は、元来、コントラバスの名手として知られており、パート譜ばかり読んでいたので、指揮者のキャリアの初めにオケ用の総譜の譜読みに苦労した事も伝えられているので、どうも其の件が誤解されたものと推察する。確かにオケ用の総譜は、断然、情報量が半端でないので解る気がする。実際、譜読みが出来ない人が、作品を残せる筈も無く、ましてや編曲を依頼する事も無いだろうと思う!噂の尾鰭と言うのは、得てして、そう言うものである。さて演奏だが、プロムナードは、適正なテンポで明確に演奏されている。初演から僅か8年後の録音だが、表現が、随分と粉れている感じである。それは、小人(グノーム)も同様だが、既に作品が、手中に在る様だ!其れ程堂々としている。古城の混沌たる憂鬱な雰囲気も曲の特質を充分に表している。残念なのは、総譜にして約40小節位のカットが在るので思わず「アレッ?終わっちゃった?」てな感じになる。是は、収録時間の制約かも知れない!テュイルリーの庭は、遊びの後の子供たちの口喧嘩を表現した曲だが、小振りな表現が其れを表しているのが解る。ビドロの真撃な演奏は素晴らしい!だがテンポは、少し早そうに感じて物足りない!卵の殻をつけた雛の踊りは、可愛らしく曲想に一致した演奏!サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレもキャラクラーの違いを的確に表していている。リモージュの市場は、市場の喧騒を流麗に表しており、流石に初演者だけの事はある。カタコンベは、ローマ時代の墓だが、録音が古いせいか今ひとつで、死せる言葉による死者への呼びかけと解説にある表現が弱くて強烈な印象が薄い!鶏の足の上に建つ小屋 - バーバ・ヤーガは、魔女達が箒に乗って飛び交う様が描かれているが、演奏も壺を抑えており劇的な表現である。 だが打楽器のバランスか弱くて少々迫力不足だ!キエフの大門も流石に堂々とした演奏で、発売当時は、最新録音で大いに迫力在る音響を轟かしたと思うが、この復刻状態じゃ物足りない!途中からアッチェレランドを掛けて軽く成っているのも残念である。終止部は良いと思う!復刻状態が、もう少し良ければと惜しまれる。次は、ラヴェルの「ボレロ」だが、是は、作曲家が、なるべく落ち着いたテンポで決して途中でテンポを速めないと注意している曲にも関わらず指定から離れた演奏!だから最初から爽快な印象で演奏が進んでいく!この曲は、オケの状態が暴露される難曲だが、独奏に何等難も無くアンサンブルも当時では驚異的な部類だと思う!次もラヴェルの曲である。「ダフニスとクロエ」から第3部に辺る第2組曲である。夜明けの情景描写は、木管の色彩感が美しい!そして神秘的でもある。此方の曲だけ1944/45年の収録だが、前途の展覧会の絵と比べて音質的に格差が見られないのは、どうした事だろうか?つまり其の程度の復刻状態である。無言劇も雰囲気が良く出ており、とてもデリカシーの在る音色が素晴らしく、感覚的で、思わずハッとする箇所もある。全員の踊りのダイナミクス溢れる演奏は良い!終止部も見事だ!ドビュッシーの「サラバンド」もある。是は、音色が、ドビュシーにしては重い!だが弦が魅惑的な音色で、やはり木管が良い為にそう悪い感じがしない!最後は、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」だ!是は、作曲者であるラヴェルが、巨匠の演奏は、作品の真髄から離れているが素晴らしい表現をすると言わしめた曰く付きなものだが、ワルツの雄弁な演奏を聴いていると圧倒された作曲家の意見も解ろうと言うものである。良い復刻盤が在ったら聴き直したい演奏ばかりだった。SPレコードも探してみよう!

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