2011/6/3

バックハウスのベートーヴェン Part.1  クラシック


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King-London MZ 5001 LP 1969


ウィルヘルム・バックハウスと言えば、晩年の如何にも頑固爺さんみたいな風貌しか浮ばないが、若い時は、中々の色男で、今で言うイケメンだった。技能面でもテクニシャンと知られ後年の英.DECCAの録音からは、想像も付かないキレの在る演奏をした。私の知ってる巨匠は、実は巧いのに下手そうに弾いた感じが、ぶっきら棒だが人間味を感じて、とても良かった!だが、メッセージ性は強い!しかし若い頃のSPレコードを聴くと即興性の強い演奏をしていた。再録も在るので聴き比べが出来るので面白い!此処では、モノラル期のベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を紹介しよう!順番通り1番から聴いて行こう!第1楽章の素朴さは、作品本来のものでも在るが、巨匠自体も其れほど大袈裟な表現を望んでいない様である。しかし骨格は、しっかりしており、鍵盤の獅子王と言われた人だけあると思った。第2楽章のアダージョも微笑ましく素朴で心が洗われる様だ!メヌエットは、ベートーヴェンに在る闘争性が見え隠れするが、その辺の頃合いが程好く表現されている。終楽章は、最もこの作曲家らしい楽想だが巨匠の演奏も曲の情熱を無理無く表現している。次は、第2番のソナタである。曲自体の構成もスケール感も幾分増しているが、まだ初期作品に在る素朴さが在る。第1楽章は、明るい表情と交差する様に既に影の部分も出しているが、巨匠も其の辺をさり気なく浮き彫りにしている。第2楽章も深い情感が現れだした頃なので、ピアニストによっては重く演奏しがちだが、客観的に主題を描き分ける事で曲の特性を表現している。第3楽章は、スケルツォだが、まだメヌエットの様だ!中間のトリオにこそ巨匠の良さを感じる。終楽章は、さり気ない鮮やかさが出ており、さらさらと弾かれる旋律がとても良い!エピソード主題とロンド主題の対立も対比を其れほど強く表現していないが違いは解る。最後に第3番が収録されているが、此処に来てベートーヴェンの個性が明確に現れたと言えるだろう!その為か第1楽章から演奏技巧が華麗であり、規模も大きくなっている。この時代の巨匠も若き日に技巧派と言われた時代の天分を演奏に表しており、聴き応えも充分である。音が常に立体的に立つので各主題の性格も明確に解る演奏である。終章のスケール感も大きい!第2楽章のアダージョもより浪漫的に成っている。時に感じられる陶酔感が良い!スケルツォは力感に満ちており、まるで交響曲を聴いてる様だ!終楽章は鮮やかである。

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2011/6/3

未知との遭遇  映画


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ARISTA-Toshiba EMI IES-81010 LP 1977


1977年の話題作で、公開当時は、大いに話題と成ったものである。それとオーディオ的には、映画界で、ドルビー研究所の存在が始めて目立った作品でも在った!テーマ曲も弱音から始まり、クレッシェンドをしてから行き成りフォルテシモと言う曲だったのだから、とても効果的だった。この頃から米国や英国映画は、嘗ての往年期の映画の様にフル・オーケストラで劇音楽を作るのが、再度流行り出したと思う!そのキッカケを作ったのは、ジョン・ウィリアムスによる功績であろう!勿論、この作品を担当したのも彼である。




さて、この作品のテーマは、第3種接近遭遇を題材にしたものだが、詳しく説明すると第1種接近遭遇が、UFOを見た。第2種接近遭遇が、宇宙人を見た。そして第3種接近遭遇が、その宇宙人に誘拐された事例である。思えば、その頃のテレビはと言うと、日本テレビでは、矢追純一プロデューサーによる「UFO特集」の全盛期とも言って良い程の時代で、実際、奇抜な発想で、観ていても面白かった。まだオカルト・ブームの煽りも在って、その手の番組も多かった!だから心霊特集等も放送されていた訳だが、最近は、UFO特集も放送されないし、矢追プロデューサーの様な効果的な演出をテレビでやる人も居なくなった!此処でテレビが、どうして駄目に成ったかを論評で述べるのは、野暮な事だが、民放に関して言えば、スポンサーの意向も在るので仕方のない場合も在ろう!私は、この映画を70ミリ版のプリントで観たが、大型映画復興の兆しを示した作品でも在ったので、良いカンフル剤に成ったと思う!監督のスピルバーグも勢いが在った!あまりにも有名な映画なので、此処では内容は述べないが、例の対話の場面は、本当に凄かった。宇宙人の登場場面も話題に成った。其処で久々にこのレコードに針を降ろしてみたが、音楽だけでも各場面が浮ぶ。当時は、8ミリフィルムの短縮版をスクリーンに映写して観たものだ!そのフィルムも現在、手元に在るが、退色してるかと気に成る。是も久々に引っ張り出して観てみよう!

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2011/6/3

マルケヴィッチの春の祭典  クラシック


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Toshiba EMI HC 1004 LP


イーゴリ・マルケヴィッチは、ストラヴィンスキーの「春の祭典」を2回、正規録音としてEMIに残しているが、いずれも楽団は、フィルハーモニア管弦楽団を振っている。此処で紹介するのは、英.HMVでLP盤の第2回目発売のカタログに載っていたものである。詳しい収録年は、不明だが、1951年頃だと思う!と言うのも当時の優秀録音として英.DECCA のアンセルメ盤とよく比較試聴されたものだからである。だが私は、残念ながらモノ盤のアンセルメ盤を聴いた事が無いので、此方の感想だけ述べよう!実は、指揮者のマルケヴィッチもストラヴィンスキーと縁の深い、ディアギレフとも親交が在った。巨匠のキャリアの出発点は作曲家であった。現に依頼によってバレエ音楽を作曲している。私が始めて巨匠の演奏を聴いたのは、1983年のNHK交響楽団の定期演奏会だったが、「悲愴」「展覧会の絵」と言う定番プロだったが、これで始めて其の2大名曲の決定的演奏を聴いた印象が在った。特に悲愴は圧巻だった。鋭く作品にメスを入れたかの様な解剖学的なアプローチは、楽曲の真価を明らかにしたと言っても良い!それから巨匠のファンに成ったのだが、残念ながら既に晩年で同年に急逝してしまった。だが、そのアプローチは、此処でも変わらない!久々に針を降ろしてみたが、この初期盤は、流石に聴き込まれているのでスクラッチ・ノイズも多いが、肝心の音質は、まだしっかりしている。序奏部も音の粒が、はっきりしており霧の中から旋律が浮かび上がる様なものは無く、素朴な原始の響きと共に生命が正に誕生する息吹を感じさせる。春の兆しと若者の踊りは、力に満ち溢れており、厳しい音のぶつかり合いが鋭く再現される様は巨匠らしい表現と言える。そして何処までも飽くまで明快である。畳み込む様に音が突き刺さるのも凄い!聖者の行列もズシリと重量感が在り、硬い岩盤で張り倒される衝撃が在り、辺りを蹴散らす様な失踪感が在る。大地の踊りも凄まじいが理性的に音を裁く客観性も在る。第2部は、不吉な音軽で始まるが、巨匠は明確にポリフォニーを再現するので現実感が強い!続く若者達の神秘な集いは、フルートの飛び回る様な演奏が印象的だ!弦による崩れる様なハーモニーに不安を感じる。!選ばれた乙女達の踊りは、とても動的で在り、目の前の音が視覚を与えられた様に迫ってくる。祖先の招魂は、グロテクスでもある。祖先の儀式の荒々しさも最高だ!それは、生贄の踊りも同様である。何よりも音が全てを語り、叫んでいる。音は洪水の様に溢れ出し巨大な隕石が落下する様に曲は閉じる。

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