2012/2/28

朝比奈隆の「第七」  指揮者


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Victor Japan VICC-8044 CD 1993


此処で敢えて朝比奈隆の「第七」としているのは、実は意味が在るのだが、巨匠の「第七」ともなると人によっては、ブルックナーを連想するだろう!しかしながら此方で取り上げるのは、他ならぬベートーヴェンである。巨匠のベートーヴェンは全集として制作されたものも3回程在ったと思ったが、全集以外の目的で録音されたものも数点在る。此処で 紹介する「第七」もそうなのだが、是は、大阪フィル創立45周年記念としてヨーロッパに演奏旅行に出掛けた際のもので、1992年にベルリンで行われた演奏会からの実況収録である。当時の巨匠は、御歳84歳だった。しかしながら老いをものともせずに巨匠のみのコンディションについて述べるなら快調である。そう断りを敢えて入れるのは、楽員達が少々御疲れ気味で金管楽器が時折腰抜けに成るからなのだが、疲労も仕方無かろうと思う!但しこのCDのライナーノートを読む限りでは問題が無いので宮使いとはそう言うものか?譜面上の繰返しは全部やっている。だから演奏時間も少し長めなのだが流れが良いので、すんなりと聴く事が出来る。巨匠のベートーヴェンは定評の在る処だが、晩年に近づくに従い求心性が薄くなり壮大さは出るものの粘りと言おうか精神的なうねりが感じられず力感が分散しているように思われて聴いていると物足りなくなる。その姿勢は確かに「第九」辺りだと効果的かも知れないが、リズムを基調に置く曲には不利な表現に感じられる。だから初めてこのCDの演奏に触れた時は、意外と印象に薄かった事を思い出す。最初に学研から発売された全集は聴いた事が無いが、今となっては興味深い処だ!だから意外と文章も進まないが、是で懲りたのか、巨匠のベートーヴェンのレコードやCDは買わず仕舞でいる。人によっては認識不足と指摘されるだろうが、第一印象とは得てしてそう言うものだろう!

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2012/2/10

若き日のクーベリーク  SPレコード


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Nippon Victor ND-165/66 78rpm (M)2EA-5847-1,2EA-5848-1A,1EA-5849-1)


是は、ラファエル・クーベリーク(クーベリック)の若き日のレコードだが、収録年も1937年との事なので録音当時の年齢は、23歳位である。蛙の子は蛙とは、よく言ったもので、父のヤン・クーベリークも大家と言われたヴァイオリニストだったが、息子で在る巨匠も19歳で指揮者デビューをしており、才能の程が伺える。このレコードの曲は「モルダウ」だが、後年に聴かれる特色も其れ成りに伺う事が出来る。原盤は、英HMV、楽団は、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団である。尚、SPレコードの収録時間の関係上、3面に分けてある。従って4面には、別の曲が収録されているが割愛しよう!さて演奏だが、とても明確に各主題も処理されているが、例のモルダウの主題が現れると何と共感に満ちて演奏されている事かと感動してしまう!造型感も確かなもので、とても20代前半の指揮者のものとは思えない程である。聴いていると情景さえ浮かび農民達の婚礼の踊りの描写が少々控えめでも大河の流れを感じ流麗でもある。そして聖ヨハネの早瀬での激流を経て「ヴィシェフラド」の丘が姿を現す箇所まで一気に聴かせる。確かに後年と比べてスケール感に乏しいとか色々と青さを感じる面も在るのだが、巨匠の特色である抜群の弾む様なリズム感は、この時代のレコードでも聴かれて嬉しくなってくる。やはり蛙の子は蛙である事が証明出来る演奏だ!当時のチェコフィルの燻銀みたいな音色も魅力的である。

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2012/2/9

スイス・ロマンド管弦楽団とサヴァリッシュ  指揮者


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RCA-RVC RVC-7583/84(RL-30459) 2LP 1978


ヴォルフガング・サヴァリッシュが、スイス・ロマンド管弦楽団で常任指揮者を務めたのは、1974年から1977年だったが、最後のシーズンには、正規録音を残している。其れが、この「我が祖国」だが、プラハの春にも縁の在った巨匠だけに何等かの思惑が在って企画された録音なのだろうと思う!日本に於いての巨匠は、言わずもがなだが、NHK交響楽団では、御馴染みの指揮者であり、名誉指揮者で在ったのも懐かしい!現在は、既に引退状態だが、バイエルン国立歌劇場音楽監督の激務の後にフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督を務めた後の事を考えれば、其れも当然と言える。尚、スメタナの同曲は、N響でも振っている。其の演奏は、私も聴いているのだが、何故か記憶に薄い!そんな印象が在ったので、実は、このレコードの購入を躊躇っていた。だからこのレコードは、単に組み合わせが珍しいから買ってみようてな程度である。其れにこの曲は、私の好きな曲だったので、在っても良かろうてな判断である。さて演奏だが、正直あまり聴いていないレコードである。発売当時も巨匠の演奏よりもエルネスト・アンセルメ亡き後のスイス・ロマンド管弦楽団は、如何なる状態か?と言う程度のものだった!其れに滅多に聴かないレコードでも在るので、初めて聴く様な感じで感想を述べられると思う!最初は、モルダウ河の畔に聳え立つプラハの古城を表現した「ヴィシェフラド」である。冒頭のハープの音から美しくて魅了されるが、各主題の描き分けも適切で楽団の特質も良く活かしていると思う!造型に関しても申し分無く曲の持つスケール感も充分である。リズム感もそうだが、全てに的確と言う言葉が似合う!そしてキレも良い!聴いていてもとても模範的な演奏であると言える。つまり過度でも無いが不足感も無い!次の「モルダウ」も明確且つ的確な表現である。この曲の主題は、御存知の方も居られるかも知れないが、イスラエル国歌の元と成ったユダヤ民族古来の歌である「希望」の旋律に主題が酷似している。スメタナの脳裏には、何となく其のイメージが在ったのかも知れないが、巨匠の表現は、民族への共感よりも楽曲に対する表現に従事している感じだ。聴いていると今ひとつ情景が浮かんで来ない!次の「シャールカ」も怒涛の様に荒れ狂う処も無いが、的確過ぎる位の明確さで聴かせる。ある評論家が「まるで外科医の様だ!」と言ったのも頷ける。スタンダードの極意と言った処か?一枚目は、此処で終わりなので一息入れて続きを聴く事にした。演奏会でもこの曲は、此処で休憩に入る。さて二枚目は、「ボヘミアの牧場と森から」で始まる。演奏は意外と熱っぽくて聴いていても気分が高揚してくる。緊迫感も程良い位だが、節度も勿論取れているので、細部への見通しも良い!農牧的な雰囲気も的確に表現しているが、民族性よりも品位を感じる。「ターボル」もバランスの取れた快演なので感情のうねりとか情念が薄い!だが楽譜が全てを語ってくれる。終曲の「ブラニーク」も構成重視で基本的には変わりない!聴いていて、もっと何か書く事でも無いのかなとも思うが、レコードが回っている間は特に不満も無いので、ついこんな感想になってしまう!此処が巨匠の強みでも在るし弱みなのかな?安定の極意とは、正にこの演奏の事である。

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