2012/10/18

R・シュトラウス自作自演集(ウィーン・フィル編) Part.1  クラシック


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Tokuma Japan-Deutsche Schllplatten ET-2000/13 5LP


R・シュトラウス自作自演集についてはドイツ・グラモフォン社や英国グラモフォン、コロムビア社のものが在るが正規録音の全容となると明示するのは難しい!そんな感じなのでたまに見つけたレコードで「ほう?こんなものが在ったか?」と思う事も在るが、実際、復刻盤も主要なものしか出ないので尚更か?此処で取り上げるのは戦時中のウィーン・フィルとの放送録音をレコード化したものだが、これはドイツ・シャルプラッテン・レーベルのものを徳間音工が発売した5枚組のものである。録音年は一部を除き1944年に収録したものを中心に構成されている。此処で聴ける曲もR・シュトラウスの代表曲ばかりだが、「ツァラトゥストラはかく語りき」と「家庭交響曲」が聴けるのが喜ばしい!さて1944年と言うとR・シュトラウスが生誕80周年を祝った年である。そこで記念をして全ての曲を当時最先端のマグネトフォンでウィーン・フィルと収録したのだが翌年に空襲で焼失したと言う事になっている。しかしながら戦後の混乱を経て、それらしきものがレコード化された。もしやこの録音なのかとも思うが残念ながら知る術も無い!ともあれ残っている事を感謝すべきだろう!此処で聴ける演奏は聴衆の咳や実況録音では御馴染のノイズが無い!よって放送用に収録したものなのが明白だが、録音や保存の状態が適切だったのか当時のドイツの放送機材の優秀性を確認する事が出来る。だからと言って過剰評価はしないが取りあえず鑑賞に対しては何の不自由も無い!さて1枚目から聴いてみよう!因みに収録は1944年6月13日である。最初に「ドン・ファン」が収録されている。とてもスピード感が在り颯爽と始まるが、その快適な指揮振りは、とても80歳の音楽家が振っているように思えないほど若々しい!まるで「ドン・ファン」の情熱を体感したような演奏だが、振っているのは作曲者である自身なのだから当たり前か?それと戦時中で楽員の中にも兵役に取られた人も居て合奏能力にも影響が在るのかと思いきや何の心配も無い感じがする。弦楽器のセクションは相変わらず優美だし木管、金管のバランスとて申し分も無い感じがする。巨匠の指揮は他の作曲家の作品では些かせっかちな印象も在るが、流石自作の曲を振ると表情が雄弁で外的な効果を然程気にしない演奏ながら、とても洒落ていて品も良い!何よりも曲が素直に語り掛けて来るので聴いているだけで納得をする。これはそんな演奏だった。次は「泡雪クリームのワルツ」である。残念ながらこれだけ録音データが不明だ!楽団は一応、ベルリン放送交響楽団(戦後のRIAS放送交響楽団とは別団体)と言う事になっている。これはR・シュトラウス特有の優美さの極意と言った印象で管楽器と弦楽器の絶妙なバランスが、この作曲家ならではである。残念なのは楽団がウィーン・フィル程、音色の点で魅力が乏しい事くらいだろうか?いつも思うのだが、R・シュトラウスの曲を得意にしている指揮者でも、その独特のバランスの妙を作曲家の自演演奏並に表現している人は意外と少ない事である。その点では、やはりカール・ベームが最も近いと思う!自身の曲の事についてはR・シュトラウスも演奏について述べているが、元々編成が大きく響き自体が派手なので別に何もしなくても良いと明言している。だから淡々と振っていれば良いとの事なのだが流石に作曲家本人が振った演奏は、それを実行している。さて最後に収録されているのが「死と変容」である。これは死と戦って結局は死んでしまう曲なのだが、その死闘振りが、まるでスペクタルのように音の洪水が襲い掛かる。確かにこの規模の曲で演奏効果を狙うと逆効果だろう!これも何にも仕掛けが無いようで実は言いたい事は全て言っている演奏で、やはり本人ならではか?R・シュトラウスは指揮者としても高名だったが実力の程を再認識するには充分過ぎる演奏内容である。

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2012/10/18

冨田勲の世界  LPレコード


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RCA-Japan RVC-7564/65 2LP 1977


思えば冨田勲との出会いは何からだったか?それは人によっても様々だろうが、手塚アニメからと言う人も居れば何気に無意識のうちに聞いていたNHKの「今日の料理」のテーマ曲だったり、「新日本紀行」だったりするのだろうかと思うが本当に意識して聴き出したのは自身に限って言えば一連のシンセサイザーのレコードだったりする。そのキッカケは現在としてはカルトかも知れぬが1979年に公開された松竹映画「夜叉ヶ池」で使用されたシンセサイザーによってアレンジされた楽曲に影響されたのだが、それを境に氏のシンセサイザーのレコードを買い捲ったと言う訳である。実はドビュッシーとの出会いも氏が編曲したシンセサイザーのものからだった。そこで最も感銘を受けたのは「沈める寺院」と言う曲だったが、どうも私には原曲のピアノ版よりもしっくりとくる。プロコフィエフの交響曲第5・6番も氏の編曲から知った。「スキタイ組曲」もそうだ!つまり相当の影響下を受けており、大袈裟に言えば、私の音楽基盤のようなものなのだが、それによって見識も拡がったとも言える。当時は氏の下でアシスタントを務めた松武秀樹がYMOに於いて相当な功績を残していた。テクノ・ポップの基盤も冨田氏在ればこそである。唐突だが、今思えば残念な事が在る。それは1980年にNHK・FMで放送されていた番組「サウンド・オブ・ポップス〜日本のトップ・アーティスト冨田勲」と言う特集が在って、氏を実際に招いてその音楽観とか氏の作品を通じて解明していくものだったのだが、折角エアチェックをしていたのに現在そのテープが現存しない事である。このブログを打ち込んでいる間に聞ければさぞかし文章の幅も拡がったのにと思うが、NHKの方でもしテープでも現存していたらCD化でもして貰いたいものだ。さて長々と勝手な自身の思い出話ばかりをしてしまったが、このLPアルバムは、冨田氏のシンセサイザーによる作業過程を収録したものである。だから2枚組みの前半は殆どその作業過程ばかりなのだが氏のシンセサイザーによる処女作である「銀河鉄道の夜」が収録されている。曲の内容はメルヘンチックでまるで遊園地のメリーゴーランドを連想させて聴いていると何だか仄々とする。此処に富田氏のアレンジャーとしての才能を聴く事が出来るのだが、本当に凄い人だと思う!冨田氏はモーグ・シンセサイザーの第一人者だが、やはり才能在ればこそと実感するアルバムでもある。

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