2013/8/30

カルロス・クライバーのシューベルト  指揮者


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Polydor Japan POCG-1188 CD 1990


シューベルトの交響曲と言うと即座に浮かぶのは、5、7、8番位だろうか?現在は研究が進み以来の番号ではなく、然もまだ慣れていないので番号が曲の旋律と一致しない人も居る事だろう?私もそんな感じだ。此処ではカルロス・クライバーの演奏を紹介するが、巨匠と言えば気難しい人でキャンセル魔としても有名だったのだが、レコーディングも直前や途中で止めたものも多く在るとの事だ。しかしその割には御蔵になった録音が発売されないのは何故だろうか?推察されるのは、その殆どが録音前にキャンセルされたものなのだろう!そう解釈した方が自然だ。なれど巨匠が公認していないものを遺族が許可するのも拒んでいるのかも知れない!巨匠の新録音が発売されなくなったのは、いつの事だろう?たぶんウィーンでのニューイヤー・コンサートが最後だった感じもするのだが?それに後になってから本人が許可したもののマスターテープが劣化して再生不能になったものも在る。バイエルン国立歌劇場管弦楽団で演奏したベートーヴェンの田園交響曲が正しくそうだが、これは巨匠の気紛れに呆れていた関係者が「あんなもん、どうでもいい!」なんて言ったかは解らないが、自身の息子の為に残したカセットテープの音源を元にCD化された。本末転倒とは、この事だろう!さて此処で紹介するのは1978年の独DGGへのもの。私はCD化されたものを所有しているが、リマスターは良好なので巨匠の妙技を充分堪能出来る。巨匠の指揮振りは独特だった。流麗で格好良く、見ていると思わず真似たくなる程、エレガントなものだった。正に惚れ惚れである。そして演奏は電光石火とも表現したくなる輝きが在る。曲は、シューベルトの第3交響曲と現在では7番に変更になった未完成と言われているものである。正直、シューベルトの3番の交響曲は、余り聴く機会はない!だからいつも新鮮な気持で聴く事が出来るので、今回も始めてこの曲に接するが如く感想を述べよう!楽団はウィーンフィルである。第1楽章冒頭のフォルテシモは衝撃を受けるが、その後の木管が何とも素朴で美しい!それからクラリネットによって第1主題が軽やかに演奏されるが、常に巨匠の鋭い音楽性が音として確認出来るのが嬉しい!そして新鮮で力強い!だがシューベルトの若書きによる限界みたいなものも同時に感じるのは仕方在るまい!寧ろ作曲当時の衝動を再現している。実に溌剌とした演奏である。続く第2楽章も音色が明るい!凛としたウィーンフィルの弦パートが美しいが、此処でも木管が活躍する。聴いているとウィーンフィルの特質も現在と違うように感じる。正にカール・ベームが振っていた時のあの音が、この演奏でも聴ける。メヌエットもコントラストが明確でトリオとの対比を付けている。主題の描き分けが巧みなのは終楽章とて同様である。ベームのようなスケール感は無いが小気味で楽しい!聴き終わると全曲を貫く一本の線に巨匠の意思を感じる。次は現在では7番とされる未完成交響曲だが、まだ8番と言った方が、しっくりとくる。曲の導入部は然程重くないのだが慎重な感じだ。テンポも速いのだが聴いていると以前に聴いたような演奏スタイルである。歌謡性の在る旋律は美しくフォルテは電光石火のように響く、正に父上であるエーリッヒとそっくりである。流石に親子なのだなとも思うが巨匠は父上の総譜をよく研究していたのは有名である。その成果がそれだとするのも強ち間違いでは無いようだ。エーリッヒはベルリンのオケでもウィーンのオケみたいに振っていた。そう感心しているうちに第1楽章は終わってしまった。第2楽章も基本的には変わらない!各主題の対比を明確にしたキッパリとしたものである。そして厳しい!優美な旋律も直向きで真の音楽を奏でてくれる。これは色々な意味で衝撃的な演奏だが、返す返す録音が少ないのは残念である。

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2013/8/23

「大地の歌」と初演者  指揮者


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Toshiba-EMI GR-2224 LP


今更ながらの名盤だが、ブルーノ・ワルターはマーラーと関わり合いが在り、「大地の歌」の初演者としても知られている。マーラーとの出会いは1896年でハンブルク歌劇場に勤めた事から始まる。当時、この歌劇場で音楽監督(1891年ー1897年) を勤めていたのがグスタフ・マーラーだった。つまりワルターの上司だった訳だが、次第に認められ、部下から弟子、そして親友として交流を深めて行った。「大地の歌」が初演されたのは、1911年11月20日である。カイム管弦楽団(ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の前身)の演奏会だった。残念ながら同年の5月にマーラーはこの世を去っていた。そこでマーラーの弟子であるワルターが指揮を担当する事となった。此処から巨匠とするが、生涯に正規録音として3回この曲を残しているのは知っての通りだ。そのどれもが説得力の在る演奏だが、年代や楽団、歌手によって評価も異なる。此処では初演から25年を経た1936年にウィーンフィルの演奏会で録音された実況録音を紹介しよう!歌手は、テノールがチャールズ・クルマン、ソプラノがケルステン・トルボルクである。さてこのレコードで何かと議論されるのはクレマンのドイツ語の発音についてである。当時新鋭の米国人歌手と言う事だが、英国人との情報も在る。つまり英語圏の歌手なので云々との事なのだろう?しかしながら各国の言語に精通している音楽ファンなんて稀なので難しい事は考えずに心を澄まして聴いてみよう!針を下ろすと巨匠がうんうん唸っている。そしてその勢いで指揮棒を振るものだから楽員が感化されてリズムやアクセントが妙に強調されている。そんな熱に浮かされてテノールが歌い出すが緊張度が尋常ではないので、すっかりクレマンも煽られている感じがする。「ずいぶん気合が入っているな?」てな印象である。そんな第1楽章だった。第2楽章は、その流れで突入するのだが、トルボルクはワーグナー歌手として定評の在った人だけにイゾルデでも演じているような歌い方が耳に残る。キリッと入る弦の音が、とても美しく巨匠とウィーンフィルの相性が如何に良かったかが実感出来る。第3楽章のクルマンの表現は少々甘いが青春を高らかに歌う楽章の特色は充分聴き取れる。それは第4楽章の美についても同様である。トルボルクが良い味を出している。巨匠の表現も自由自在てな感じがする。やはり実演のせいか表情が濃い!これもウィーンフィルと巨匠ならではだろう!第5楽章は春に酔える者と早い話が飲兵衛が酒に陶酔している情景なのだが、確かにウィーンフィルの弦の調べは聴いていると本当に酔い痴れる程美しいが、クレマンの表現は少々控えめに聴こえる。大虎になる一歩手前位か?終楽章は告別を表現しているのだが、意外と能天気に聴こえるのは巨匠の狙いか?「今は大変だけどまあね?」なんて感じなのだ。つまり悲痛になる寸前で諦めているのだが、「それも人生なのかな?」と納得してしまう!ウィンナホルンが良い味を出している。聴き終わったらジワリと感動してしまった。世評では英.Deccaの戦後の録音が良いのだろうが、聴き手の気分で受け取り方も違うだろう?最初は古い録音だな?と思うのだが、聴き終わると又聴きたくなる魅力が在るレコードだ。SPレコードで聴き直す機会が在れば感銘度も違うだろうか?尚余白には。トルボルクの独唱で「私はこの世に忘れられ」が在るが、表現も程々なので、大地の歌を聴いた後には癒される。

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2013/8/9

ミントンハウスのチャーリー・クリスチャン  JAZZ


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Nippon Columbia HR-101-EV LP 1972


チャーリー・クリスチャンと言うギタリストが居た。居たと言うのは既に他界しているのだがジャズファンには野暮な話だ。この人は破天荒だった。そして早死にしたが、確かに25歳は若い!死因は不摂生とマリファナと更に結核が悪化したものだった。ベニー・グットマンのバンドに居た。エレキギターは1936年から始めた。そこで「あれっ?」と思うのは寺内タケシの存在!彼はエレキギターを自ら発明したと言っていなかったか?だが実は1932年にリッケンハッカー社が発明したフライング・パンと言う物が原点である。それに寺内タケシ自身は1939年生まれである。だがその後の開発に同時進行だった技術も在るのも事実である。寺内タケシ恐るべし!さてこのレコードは散々店頭で手に取って見ていたものだが購入したのは遂最近の事である。チャーリー・クリスチャンはエレキギターによるソロパフォーマンスで名を轟かせた人だが、確かにこのレコードにも聴くべきものは多い!そして発見も在る。しかし録音は余り良くない!それでもチャーリーのギターは明瞭に聞き取れる。実はこれ「ジャズギターのレコードだから気軽に聴こう!」なんて軽い気持ちで購入したのだが、聞き始めると耳が離せない!流石に後進への影響を与えたギタリストである。これでは色々な意味でBGMにはならない!そして感心してしまった。ところが此処で聴ける演奏は既に晩年である。それも死の前の年の1941年にミントンハウスで行われたものが残っていた。然も商品化を全く目的としたものではないので古い音源に慣れた人でなくてはマトモな鑑賞も難しいだろう?だけど名盤扱いの部類に選考されるのも理解出来るレコードだろう!それ以上は小生が述べるのも野暮だと言うものである。要らん講釈は、このレコードには無用だ!此処で終わりにしよう!

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