2013/10/7

クナッパーツブッシュの驚愕  指揮者


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King Japan KICC 2022(M&A USA) CD 1990


ハンス・クナッパーツブッシュは近年でも評価が二分するが、既に過去の巨匠であり、幾ら個性的とは言え、此処で取り上げるのも些か時代遅れの感も在るが、その割には古いものばかりなので、こんなものだと思って頂きたい。私も結構、巨匠の演奏をレコードやCDで聴いてきたが、意外とこのブログでは頻繁に紹介はしていない。それは小生が精々個人的に面白がって聴く程度の段階で終始しているのが一番の原因だろう。つまりクナッパーツブッシュに関しては自己完結なのだ。確かに聴いていても本当に面白いのだが、そこで感心して終わってしまうと言う訳である。だけど巨匠の音楽の実在感は正に目の前に聳え立つ程のもので、此処まで内容の在る演奏もそう聴けないだろうとも思う。しかしながら気紛れやいい加減も巨匠の特色でもある。だからパウゼの扱いも独特だ。其処に気がつくとこの曲では何処にパウゼを入れるかと興味深く聴く事になる。特にメヌエットやスケルツォ楽章のトリオの手前に入れる間は、この人ならではだろう。実は巨匠はパウゼの後が聴きものなのである。そんなものだからウィンナワルツでさえも妙なパウゼが在る。これは解る人には解るだろう。さて要らん講釈は此処までとして演奏の感想を述べよう。タイトルには「クナッパーツブッシュの驚愕」と在る。つまりハイドンの交響曲第94番である。収録は、1950年のベルリンフィルの演奏会と言う事になっているが詳細は不明だ。取り敢えず2月2日に行われたもののようだ。気になる音質もまあ音楽を聴くには不自由の無いレベルである。序奏は、とても素朴なのが巨匠らしいが、この頃のベルリンフィルは本当に渋い良い音で魅了される。当たり前だがドイツの楽団なのだなと思う。骨格のしっかりとした主部も重いが聴き進むと視野が開けるようにどんどん明るくなっていく。どっしりとした造型も巨匠ならではだが、どちらかと言うと鈍重な印象なので尚、そう感じるのだろう。とても恰幅の良い堂々たる第1楽章だった。第2楽章は例の「びっくり」なのだが、世評程の大袈裟でエゲツない印象は無い。前の楽章の演奏の流れではこう言うものだろう。とても拡張高く大交響曲とも表したい位壮大だ。第3楽章も余裕の在るテンポで安心して聴ける。だが此処で、ようやく如何にも巨匠らしい演奏を聴く事になる。それはパウゼの後のトリオが大変遅く、まるで別な音楽でも聴いているようだ。そんな感じなので初めて聴いた時は「へぇ〜?そんなやり方も在るのか?」と感心してしまい、寧ろ後の楽章で「驚愕」してしまった。続く終楽章もそんなところが在る。巨匠を聴く楽しみは正にパウゼの後に在る。此処では旋律が、それっぽいのかワルツでも奏でているような趣きになっている。聴き終わった感想だが、最近の演奏会では演奏家の人間味を感じる演奏に出会った事もあまり無いので寂しい世の中になったものだと改めて思う。されど現代、だけど現代である。カップリングのブラームスの第3番の交響曲は既に紹介しているので割愛する。

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