2014/7/17
ブルスカンティーニの隠れた名盤? 歌劇・楽劇

Toshiba EMI HD 1031 LPC
セスト・ブルスカンティーニと言えば、NHKが招致したイタリア歌劇団公演でも達者な処を聴かせていたが、レコードでもフィガロで軽快な歌い回しを披露し魅了させてくれた。何だか声を聴くと、また歌っているレコードを探したくなる不思議な魅力の在る歌手である。このレコードもそんな感じだ。作曲は、イタリアのモーツァルトと言われたチマローザの「宮廷楽士長」と言う作品である。そして登場人物は、宮廷付学士長、只一人である。形式は、インテルオメッツオと言う幕間狂言である。然も内容は「楽屋落ち」だ。指揮は、レナード・ファザーノ、演奏は、コレギウム・ムジクム・イタリアクム器楽管弦楽団で独奏は、ローマ合奏団のメンバーが受け持った。チェンバロは、ロメオ・オリヴィェリである。序曲は如何にも快活で聴いていても溌剌とする程だが、序曲が終わるとオケの練習が始まるが声だけとは言えセスト・ブルスカンティーニの芸達者振りには感心する。その楽士長がつけるリハーサルは、最初は、なかなか上手くいかない。そこでの楽士長の喜怒哀楽が面白く表現されている。実は、そのやり取りが聴きものなのだ。これはそんな作品だ。ブルスカンティーニが、あまりにも芸達者なので、練習風景も浮かんでくる程だが、正に彼の独断場だろう。彼の十八番には、やはりEMIで録音された「フィガロ」があるが、指揮者のグイのノリが今一つで、同じ幕内でもムラがあり、飛びぬけて調子が良い箇所もあるかと思えば、急にテンションが落ち込む演奏だった。おそらく収録日によって、良い日も悪い日もあったと言う事だろう。さてこの曲の収録年だが、モノラルなので1950年代前半としか予想が出来ない。短い楽曲だが紛れも無くセスト・ブルスカンティーニの代表盤だろう。だがとても得意としていた演目らしく、NHKのイタリア歌劇団公演でもこの曲を1973年に取上げている。それは映像も残っているので是非、DVD化も御願いしたい。


2014/7/2
月に憑かれたピエロ クラシック

CBS-SONY 20AC 1887 LP 1984
これは、シェーンベルクの自作自演盤だが、感受性の強い歌曲なので、此処ぞと言う演奏には中々巡り合う事がなく、結局このレコードを紹介するが、収録年は古く、1940年9月24日に米国コロムビアで録音されたものである。正式楽曲名は『アルベール・ジローの「月に憑かれたピエロ」から三度の7つの詩』(ドイツ語: Dreimal sieben Gedichte aus Albert Girauds <

