2015/1/16

カラヤンのロ短調  指揮者


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Columbia-Nippon XL5095-7 3LP


ロ短調で書かれた楽曲は数々あれど、此処で挙げる曲はバッハである。そうなると「ロ短調ミサ」と言う事になるのだが、カラヤンの場合は、このレコードに関して言えば意外と厄介である。それは録音データだが、元々契約の関係上、発売当初は覆面扱いで何処の楽団やら何やら不明な点が多い。なのでその辺が明確になったのは、遂最近の事である。これは当時のレコードマニアの想像では、楽団はウィーン・フィルとされていた。しかしその場合だと独特のウィーン奏法が聞かれなければならず、ピッチの問題もあるので簡単なものではない。なのでもしそうだとしても「シンフォニカの方かな?」との仮説になるのだが、それは正解だったようだ。幸い最近ではネットでも調べられるので、ようやく解ったのだが、それによると1952年11月2-5,7日、52年11月23,28〜30,53年7月16日(1952年11月2-5,7日はウィーンのムジークフェラインザール、他はロンドン)に収録されており、ウィーンでの収録部分は、ウィーン交響楽団で、ロンドンでの収録部分は、何とフィルハーモニア管弦楽団が起用されているとの事だ。そのロンドンでの独奏者も判明しているので記するが、マノウグ・パリキアン(vn)、デニス・ブレイン(hrn)、ガレス・モリス(fl)、シドニー・ザットクリフ(ob)、ペーター・ニューベリー(ob)と言う事になっている。そこであの素晴らしいホルンは、デニス・ブレインだと解って納得してしまった。ちなみに独唱者は、エリザベート・シュワルツコップ(s)、マルガ・ヘフゲン(con)、ニコライ・ゲッダ(t)、ハインツ・レーフス(b)の面々だ。尚、合唱団はウィーン楽友協会合唱団である。さてこの録音時のカラヤンは、この録音のために70回以上にも及ぶリハーサルを行ったとの事だ。だが録音当日になってカラヤン自身が敗血症で倒れ、スケジュールの延期が出来なかった為に寝ながら指揮したと言うのだから御苦労な事だ。だからキリエが「どきり」とする程の壮絶な印象があったのかとも思うが、それでもカール・リヒターやオットー・クレンペラーで同曲を聴いた時のような神々しい程の荘厳さはないので、人によっては聴きやすいだろう。そのせいもあるのか自身では、この曲を聴こうと思った時には割りとターンテーブルに乗せる機会の多いレコードである。ささやかに音楽が語り掛けるので、素直に演奏に身を浸す事が出来る。シュワルツコップとヘンゲンの二重唱も美しい。グロリアも活気があって宜しい。合唱も無理に声を張り上げる事もないので、とてもバランスが良い。そんな感じなので強烈な印象なんぞ何もない。この辺に当時の巨匠のバランス感覚を知る事となるのだが、徐々に音楽が温まって行くので、それなりの緊張感はある。それと聴いていて思ったのだが、シュワルツコップが後年に感じる独特の癖がなく、とても素朴だ。此処からは曲が長いので気がついた点のみ述べるが、男性陣ではニコライ・ゲッダの明朗で優しい声に慈愛を感じる。この頃のゲッダも意外と良い。ハインツ・レーフスは安定感だろうか?四重唱の時は奥の支えとしての存在感がある。それは勿論独唱時も同様だ。巨匠の指揮は流石にこの時代は溌剌としている。それがいざと言う時の瞬発力なのだが、全体の構成を見つつも突進する箇所は、やはり若さが出ている。ニカイア信条では、良く訓練された楽友協会合唱団の実力を堪能出来る。巷の音楽専門誌では、何かと評判も今一つだが、素直に音楽に没頭する様は感動する。サンクトゥスからホザンナに掛けては圧巻だ。アニュスディも然程深刻になり過ぎない。終曲のドナ・ノビス・パーチェムまで達すると流石に聴き手も一仕事を終えたような充実感がある。

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2015/1/8

キングコング  映画


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Tam YX-7032 LP 1977


これは懐かしい映画のサントラ盤だが、当時のパンフレットによるとディーノ・デ・ラウンティスと言う、米国の映画界では大物のイタリア人映画プロデューサーが自身のプロダクションで制作した1976年の超大作である。監督はスペクタル映画の巨匠と評価されたジョン・ギラーミンである。この人は現在では「B級映画の巨匠」と散々の言われようだが、それでも数々のヒット作を連発し、そのどれもが超大作ばかりだったので、そう馬鹿には出来ない。この「キングコング」は日本では、1977年に東宝東和映画が配給したが、作品自体も戦前の1933年にRKO映画社が製作したものの再映画化とあって、大いに話題になったものである。私はこの作品をリアル・タイムで映画館で観ているが、今でも記憶に残る「名作?」ではある。その音楽を担当したのはジョン・バリーだが、タイトル曲の重厚で沈み込むような独特のテーマ曲は、物語の先を期待させて、如何にも超大作のようなスケールの大きな楽曲構成には惹かれるものがある。その点では独特のバタ臭さはあるが、それこそが当時の超大作映画の特色だとも言える。だが勿論、哀愁溢れるテーマ曲もあり、聴いているだけでお腹がいっぱいになる程だ。その映画の場面も浮かぶ。なんだか凄い映画の音楽なんだと言う事は解る。時に大袈裟だが御愛嬌だ。余談だがジェシカ・ラングが演じるヒロインは美しく、それを観るだけでも価値はある映画だと思う。現にこの作品で思い出に残っているのはヒロインとジョン・バリーの音楽である。

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