2012/1/25

正規盤の方が、音が良いのだが...  交響曲


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King-Seven seas K22C-137 LP 1981


長い事、レコードばかり聴いていると他人から垣間見ると不思議な事も在る。其れはレコード・マニアの方々には経験も在るだろうが、アナログ時代では、現在では考えられない位の海賊盤が販売されていて、所謂レア音源からのレコード化なら音質が例え悪くても聴けるだけでと満足した方も居られるだろうが、此処で取り上げるのもそんなレコードである。ジャケットを見ても解るだろうが、是は、フルトヴェングラーがウィーンフィルを指揮したもので、表記の通り1954年のザルツブルク音楽祭でのものである。是は後に独.Orfeoレーベルから正規盤CDが発売されているのだが、音質を聴き比べる迄も無くOrfeo盤が良いのは当り前だ!しかしながら実在感と言う点で比較すると音質の悪い、このレコードが演奏を聴いた気がするのも不思議な事である。其れでも買った当時は、特に音質の事を気にしないで聴いていたのだから不思議なものだ!是は、巨匠最後の「第七」としても知られているものだが、収録日を敢えて表記すると1954年8月30日にザルツブルク音楽祭で演奏されている。巨匠の同曲と言えば、戦時中のベルリンフィルのものとか英HMVのウィーン盤が有名だが、それらの演奏は、当時のレコードの音質が意外と私好みで無かったのか其の良さが解る迄、随分と時間が掛かったので、巷の定評なんてアテに成らないと思っていたのだが、反場、フルトヴェングラーの「第七」なんて?と思っていた処にこのレコードが現れたので大いに歓迎したものだ!私は、巨匠のリズム感覚は、所謂タテ乗りで彫の深い造型が魅力だと信じていたのだが、先に挙げた2点の演奏は、残念ながら満足出来なかった。其れは結局、イメージのズレが原因なのだが、このレコードは不思議と其の彫の深さや実在感を味わえるものだった。因みに原盤は、イタリアのLaudisとある。実は、このレコードは以前ほどターンテーブルに乗らないのだが、フルトヴェングラーで「第七」が聴きたくなるとやはり此方の盤が良い!テンポは、超スローと言っても良い位だが、同じ様な傾向の演奏としては、オットー・クレンペラーのEMI盤が在る。しかしながら作品を引き離し厳しく真価を問う其の演奏と比べてフルトヴェングラーの場合は、まだ親近感を感じる。冒頭の和音にしてもカロリー満開で、じっくりとした序奏部も重量級である。第1主題の受け渡しも手探りで導き渡すのも人間ぽくて良いし主部に進むに従い晴々として来るのも良い!この手の演奏としては、最後の来日公演と成ったカール・ベームの人見記念講堂でのものが似ている。購入当時は其の演奏が私の頭から消えなかった。其れでこのレコードがしっくり来た訳である。第2楽章も何処かゴリゴリとした感触が在って、真に迫って来る。聴いていて音楽の核の部分迄に触れた印象だ!寂しいが、しっかりと自らが背負っている苦悩を理解して道を歩む姿が浮かぶ。其れに対し第3楽章は一転して何か巨大なものが狂喜乱舞している豪快さを感じてしまう!金管のトリオも猛烈其のものである。其れで終楽章は、正に晩年の境地を感じさせるもので、しっかりと足取りを踏まえて頂点を上り詰めて曲は終わる。久々に聴いたら何だか感動してしまった。巨匠特有のズシッ、ズシャと言う独特のアインザッツの魅力が確実に味わえる一枚だ!

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