2012/4/16

ようやく見つけた一枚なのだが?  管弦楽


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Toshiba EMI WF-70033 LP


このレコードは、ようやく見つけた一枚なのだが何故かしっくりとこない。確かに見つけた時は嬉しくて。これでようやく聴けると喜んでいたのだが、いざ聴こうとなると意外と心地が悪い。このアルバムは、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの戦後から晩年の英HMV録音をまとめたものである。楽団は、全てウィーン・フィルである。私の御目当ては、リストの「前奏曲」であり、スメタナの「モルダウ」だったのだが、録音状態は明瞭なものの、とても聴き辛い。何故そうなるのか不思議なのだが結局、私の感性に合う音色では無かった訳だ。こんな個人的見解で申し訳ないが、レコードも第一印象で相当左右される。それらの曲は、B面に収録されているので、アルバムに収録されている順とは違うが、リストの交響詩「前奏曲」から感想を述べよう。さて針を降ろすと巨匠の特徴であるズシリとして深い重量級の響きが聴こえてこない。収録は、1954年のもので同年ならウェーバーの「魔弾の射手」序曲のようなイメージ通りの録音も在るのだが、残念な事に是は違う。一聴して確かに明瞭な録音だが音色は硬く音楽として耳に届かない。それと重量感とは無縁の低音感の無さも致命的である。つまり音痩せしているので実在感が感じられないので、本当に聴いていて辛くなるカッティングである。だから其の点を差し引きした評価となるので御勘弁頂きたい。しかし精神性と言おうか辺りを払うような静けさは巨匠ならではである。繰り返されるピッチカートの度に音楽が膨れ上がるので素晴らしく、金管が高らかに歌い上げる箇所も良いのだが、やはりテンポの動きも巨匠特有のものである。「振ると面食らう」なんて、古老音楽ファンの揶揄も聴いていて、その通りだと思う。実は其処が気になる箇所でもある。強引なアコーギクは、やはり何回聴いても不自然だ。とは言え弦の気品の良い優美さにも聴くべきものがある。ウィンナホルンも良い味を出している。それは曲自体の内容が大した事無いので尚更外的な部分に耳が奪われるのだろうが、曲の内面を見つめる巨匠の態度は曲の特性を超えている面も在り、何とか面目を保っているようにも感じられ時に壮絶な響きも聴かれる。次はスメタナの「モルダウ」である。収録は、1951年である。とても適正なテンポでフルートが歌うが、余裕の在る表現で聴いていると気が付いた時には音楽に引き摺り込まれるような自然さが在る。例のモルダウ河の主題も情緒が在り、深いカンタービレも素晴らしいと思う。情景描写も申し分なく、神聖な月夜の主題も同様である。後半の濁流もシンフォニックな表現で曲の醍醐味を感じさせるのに充分である。是も演奏が曲を超えた印象が在る。順不同だが、此処からA面の曲の感想を述べよう。最初はメンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」序曲だが、戦前のポリドール盤と比較すると丁重な表現ながら情景描写に関しては少々劣る感じがする。次のシューマンの「マンフレッド」序曲もそうだが、どちらかと言うとウィーンフィルを聴くべき演奏だと思う。壺は、しっかり抑えているので是だけでも充分てな感じもするが欲を出せばキリが無い印象だろうか?尚、この面の最終には、ニコライの「ウインザーの陽気な女房達」序曲が収録されているが、両者の魅力が遺憾なく発揮されている秀演なので寧ろ此方の方が面白く聴けた。リズム感が最適で本当に陽気な演奏だ。此方の面は、1949〜51年の収録である。

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2012/1/8

ベートーヴェン序曲集  管弦楽


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Toshiba-EMI WF-60012 LP


此処で取り上げる「ベートーヴェン序曲集」は、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーのレコードだが、初めて巨匠の演奏を聴いたのは、高校の上がり立てで「バイロイトの第九」辺りから聴いたのだが、そんな渋い演奏が、若輩者に理解出来る筈も無く、何となく良さが解り始めたレコードが、この辺りからなのだが、生前にベルリンでは、どちらかと言えば通向けの音楽家だったので当り前かも知れない!懐かしく久々に取り出して聴いてみたが、初めて音質を超えた印象を私に与えたレコードでもあった。最初に収録されている「コリオラン」序曲の収録年も1947年と古いが復刻は意外と万全なので然程気に成らずに聴ける。楽団は、ウィーンフィルである。演奏は重量級だが柔軟性も在るのも巨匠らしいが求心性も高く彫りも深い!この序曲は、戦中の実況録音盤の評価が高いものだが公式のレコーディングとしては唯一のものだけに重要なものだと思う!最近は、良いデジタル修復のCDも在るだろうが、是もズシリとした実在感を感じるので結局このレコードで聴いている。次には、「レオノーレ」序曲第2番が収録されている。此方は、ベルリンフィルで、1954年のものだ!やはりドイツの楽団は手応えが違う!響きは重量級だが硬質で繊細な弦の音色が現在の同じ楽団からでは想像も尽かない位違う!晩年の演奏なので動的な面は余り求められないが、大家の貫禄が其の儘説得力に繋がる処が在る。だが其れ以上のものは求められない演奏でもある。晩年の公式録音にベルリンフィルのものが他にも在れば評価も変わるだろうが、EMIの晩年のものは、ウィーンフィルばかりなのが残念だ!裏面には、「フィデリオ」の全曲盤から抜かれた序曲2曲が在る。後から全曲盤を聴いた時には、このレコードとの音質差が気に成ったが、是だけ聴くので在れば、余り気に成らない!最初は「フィデリオ」序曲だが、印象としては先に聴いたものと然程変わりない!冒頭からどっしりとした響きにウィーンフィル特有の美感が加わって良い感じのバランスで鳴り響く!終章の勢いも万全で、初めて聴いた時は大いに夢中に成ったものである。そして終わりは「レオノーレ」序曲第3番である。是もどちらかと言えば晩年調の演奏である。だから動的な面よりもシンフォニックな面が強調されている。スタンダードな名演と言った趣きである。其れ以上の印象は無かったが、其の分安心して聴ける演奏だった!因みに全曲盤の収録は、1953年だった!

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2011/11/13

惑星の初演者  管弦楽


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EMI England CDH 7 63097 2 CD 1989


エドリアン・ボールトは、ホルストの惑星の初演者として知られているが、意外にも巨匠の同曲レコード録音は、大戦末期の1945年に成ってからである。初演者だけに慎重にと言う事だろうか?是は、巨匠が、計5回残した同曲録音中の最初のものである。収録は、英.HMVである。しかしながら収録された1945年1月2、5日と言えば、大戦末期である。当時の世界情勢を考えるとよくそんな時に録音が、出来たものだと思うが、途もあれこの録音は、作曲家の自作自演盤と共に歴史的価値の在るレコードだと言われている。余白にエルガーの「イントロダクションとアダージョ」が、収録されている。此方の収録年は、1937年3月24日である。会場は、双方、ロンドンのアヴィ・ロードスタジオである。さて音質は、中域重視で、張りが在り、前に張り出す堂々たるものだが、低音が薄く些か量感に乏しく明瞭な反面、硬質な音色である。演奏は、初めの「火星」のテンポは、普通だが推進力が凄く、豪快な表現である。だが何処と無く品を感じるのは、BBC交響楽団故か?「金星」は、素朴だが磨かれた表現で、巨匠の理性が勝った演奏と言えるだろう!神秘的な音色も妙な色の無いBBC交響楽団ならではの特性が、曲に対してプラスに転じていると思う!例えば、ドイツ系の楽団なら重くなり、ウィーンフィルだって何か違う印象も在る。それも宇宙空間を表現していると成れば、尚の事である。「水星」も楽団の特色が引き立つ!感情過多に成らずに素直に曲のアプローチを歪めず伝えているのが良い!「木星」は、曲の特質上、勇猛な表情が目立つが、巨匠は、すっきりとした造型感覚で処理をしている。大編成ならではの量感は、勿論在るが、決して肥大した表現はしていない!だから例の主題もお涙頂戴の演歌みたいな悪趣味な演奏ではない!人によっては、最も物足りない表現だが、是が王道だと思う!テンポの動きも過度に成らない!「土星」冒頭の透明感も印象的だ!金管の鮮やかさも見事だが、此処では、録音の古さが、目立つのが残念で、ダイナミクスが、イマイチ伝わり辛い感もある。「天王星」冒頭も、もう少し音質が良かったら依り効果的だと思うが、何処無く知性的な表現が、功を成していると思う!ダンスを思わせる主題も其れ成りに豪快である。しかし終止部の巨大な音響は、やはりマイクが拾い切れてないのが少々残念だ!其れでも「海王星」との対比は取れている。 是は、宇宙の神秘其の物の曲で、演奏上の表現も的を得ているが、此処でも録音の古さが目立つ!作曲家の自作自演のレコードでは、あまり気に成らなかったのだが、何故だろう?さて次は、エルガーの「イントロダクションとアダージョ」である。此処での巨匠の表現は、些か浪漫的だが、シャープな造型感は、この曲とて変わらない!演奏内容は、曲を始めて聴く人には最適か?

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タグ: 惑星 英国



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