2013/3/28

不滅の名盤  器楽曲


クリックすると元のサイズで表示します
Toshiba EMI GR-16/18 3LP 1959


コンパクトディスクが全盛と成ったものの現在では衰退の一途を辿っているようだが、その中に在っても「不滅の名盤」なるものは何とか存在するようだ!しかしながら所謂デジタル録音では嘗てのアナログ盤程の数は無いようである。だから此処で挙げるのは勿論アナログ・レコードの事である。と言うのも最近夙にアナログ媒体の重要性を再認識する事が続いているからだが、あれだけアナログとの比較に於いての優秀性を宣言しておきながら結局アナログに勝るもの無しと思わせる結果も否定出来ないからである。これは私自身の不平かも知れないがCD初期に購入した物が再生不能に陥る事態が続いている。それもリマスターで音質が向上したと散々謳われたCDもまともに聴けない事からアナログ盤を買い直す愚行も続いているので尚更である。何故そうなったか?それは簡単な事だがCDのデジタル信号の要であるレーザー光線を当てるメッキ部分が錆びるとか劣化する事で再生不能と成るらしい!これではどうしようも無い!つまりユーザーに示した技術上の神話は既に崩れ去ったと言う事である。そんな訳でアナログ・レコードは私にとってはまだまだ現役の媒体なのだが、音楽を聴く上では現在に於いても重要である。此処で紹介するのは、パブロ・カザルスのレコードだが勿論バッハの曲である。それも無伴奏と在っては何の説明も必要ないと思うので野暮な事は述べないでおこう!人によっては懐かしいジャケットだと思うが、私はこのレコードに辿り着く迄に仏パテとEMIの国内盤やナクソスのCDを購入して聴いたものの、どうも納得が行かずに結局勿体無い話だが全部手放してしまった。つまりCDの音には何の感激もしなかったばかりかカザルスのバッハの魅力を伝えるCDでは無かった。それでせめてアナログ盤でも聴き直せば印象も違うのかな?と探して見つかったのが、このレコードである。幸いこのレコ−ドにはカザルスが言わんとしたメッセージが聴き取れそうな情報量を感じる復刻状態だった。不満なのは彫りが浅く些か平坦な音色なのが残念な点である。そのうちに真空管アンプの製作でもしてみようかと思うが、同時にSPレコードでも探してみるのも手であろうと思っている。早く理想的な条件で演奏の真髄に迫ってみたいものである。そう思わせる魅力が在る演奏である。

人気ブログランキングへ 
0

2012/12/8

若き日のカール・リヒター  器楽曲


クリックすると元のサイズで表示します
King London(TELDEC) MX 9043 LP 1978


「若き日のカール・リヒター」としてわざわざ断りを入れて在るが、収録時の1956年は、カール・リヒターは、まだ29歳だった。初レコーディングが何年頃からなのかは小生は些か疎いので解からないが確か英.Decaで録音したオルガン曲のレコードは1954年の収録だったので其の位か?曲は「ゴールドベルク変奏曲」である。実はこのレコードの紹介は以前にもしているのだが久々に聴き返してみたら印象にズレが在ったので改めて再稿しようと思った次第だ。さて同曲と言えば戦前のワンダ・ランドフスカのレコードが代表的な存在だったのだが敢えて聴き比べてみるとバッハに対する慈愛よりも現代的で尚且つ斬新な印象を受ける。つまり真摯に作品を見つめ再考する姿勢が感じ取れると言う事である。それでも現在となってはリヒターの演奏様式は古くなったと言わざるを得ないが時代の移り変わりと共にバッハに対する考えも変わって当然だろう!特に古楽器演奏が主流の時代と比べるのも愚かである。アリアには、リヒターのバッハに対する思いが伝わる。しかし少々エキセントリックな印象も受ける。だが分析的な解釈が表に出ているので曲の構成は明らかにされている。そこが、如何にもドイツ人らしい様式感だとも言える。各変奏も明確に特色を明らかにしていく演奏で、一点の曇りも無い即物的な解釈で伝統の塵や埃を取り払うかの様である。鋭い感性だけで勝負したかの演奏だ!この曲には勿論再録が在るが、その後のリヒターが、バッハに対して、解釈にどの様な発展を遂げたかと振り返る時には絶好の演奏とも言える。尚、予断だが演奏者側にもマイクが近いのか演奏しながら何やら呟くリヒターの声が割りと聞えるレコードでもある。

人気ブログランキングへ
 
0

2012/1/20

バックハウスのベートーヴェン Part.2  器楽曲


クリックすると元のサイズで表示します
King-Londn(Decca) MZ 5002 LP 1969


鍵盤の獅子王ことウィルヘルム・バックハウスが弾いたベートーヴェンのピアノ・ソナタである。尚、巨匠のレコードを御持ちの方は、御存知かも知れないが、英.Deccaには、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの全集が、モノーラルとステレオ録音双方に在る。此処では、旧全集であるモノーラル盤を紹介する。どちらが良いかは、個人の好みかも知れないが、私は、旧全集の方を好む。何故かと言えば、後年のものと比べて巨匠が嘗て技巧派として腕を鳴らした面影を知るには、とても最適なレコードで在るからだ!其れと言うのも奏者は、年齢と技巧に対して密接な関わりが在るからなのだが、巨匠とて例外では無い!特に高齢まで活躍した奏者には、影響が出るのは、考えなくとも当たり前である。確かにこの頃の巨匠には、まだヴィルトゥオーゾ的な感覚が残っている。其の点では、作曲家のベートーヴェンとてピアニストとしても即興の大家として有名だったので尚更だと思う!前置きは、此処までとして演奏の感想を述べよう!曲は、4・5・6番のピアノ・ソナタである。最初に4番だが、この曲は「恋してる女」との俗称が示す様に作曲家の感情の発露と成っている作品でも在る。第1楽章の素朴な鮮やかさは、聴いていると乙女の弾んだ気持ちを表しているかの様だが、絶えず音が丸く転がり回る感覚は微笑ましく急に差し込む暗雲も思春期の女性の様である。同時に御茶目な描写も散りばめられている。第2楽章の物思いに耽る表現も音に優しさを感じる。一見、淡々と弾いている様で内面性を素直に表している。第3楽章も揺れ動く乙女の心情を良く表した描写が、とても素敵だ!終楽章の優しい表情も聴き手の方が「恋してる女」の気持ちに感情が同化する様な処が在る。そして「乙女の気持ち」ってそんなものなのかな?なんて空想している内に曲は終わる。第5番に至っても巨匠特有の無骨さが在るが、素朴な味わいを感じる演奏で、しっとりと曲に浸透する様は良いものである。其れは、第6番も然りだが、此処には鍵盤の獅子王と揶揄されたバックハウスの真髄を聴くべきものがある。

人気ブログランキングへ
 
0



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ