以前にも書いたが写真を整理していたら出てきたもので、中国広東省東莞市の「人民中級人民法院」の結審布告で有る。
写真の「赤いレ点」印は結審を意味しています。中国に於ける裁判は、二審以上は有りませんから、これで決定と言う事になります。
この布告の中には凶悪強盗殺人犯とか覚醒剤密売犯とかの名前、出身地(省)、年齢、犯した罪名、結審内容等(重罪は即死刑)等々が書かれているだろう。街中では時々見掛ける掲示板です。
中国滞在中には、
公開法廷(中学校の校庭)と即死刑の執行の様子を見た事が有ります。日本のマスコミにはその様子が載っているらしが、実際にその様子を見物した者は少なかろう。
校庭の正面玄関前には階段が有り、裁判長が厳めしい姿で(軍服と軍帽)裁判席についている。被告(この時は被告人は50人で死刑判決は25人)はその前の観衆の前に立たされ手足には鎖が掛けられ、両脇は警官が警護し腕を持っている。法廷の周囲の山には、ライフル銃を持った警察が多勢警護している姿が散見される。
運動会の父兄招待席の様なものが有って、法廷の特等席(裁判長と被告の正面)には地元の父兄が座っている。その他の大勢組の傍聴人は正面から離れて整列している。裁判長の判決読み上げが始まり一人5分以内だった様な気がします。それが終わると死刑判決の者は即銃殺場(校庭の片隅の草むら)に連れていかれ、パーンと乾いた二発(銃殺者は10代の若い軍人が二人)の音と共に即死するのです。死体は二人の警官に両手を引きずられ死体の山を築くのです。
この様な公開裁判は東莞市の各地を巡回して行われたのですが、諸外国の目が光っているから、現在では流石に行われ無い様です。布告を読めば、確かに死刑に値する殺人犯が多いのです。公開裁判は、中国が未だ発展途上に有った時代の産物で「見せしめ」の為に行ったのだろう。その日は暑い夏の盛りで、暑さと白昼夢で頭がクラクラした事を記憶しています。
見せしめの「公開死刑執行」でも野蛮な行為と言うべきであろう。しかしながら、それが社会主義国家で有って共産党独裁政権の所以なのです。日本の江戸時代に於いても、公開の死刑(磔や斬首刑)が有って、それは徳川独裁政権で有ったのです。
現在の日本は裁判のプロから、民間人が裁判に参加出来るのです。おおきな進歩と言うべきであろう。

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