中国広東省の地方都市部に出現した「工業団地」です。写真は、今から12年程前(平成10年頃)のものですから、それ程古くは有りません。中国友人から地方都市の
共産党書記長(共産党員は市のトップで市長より上位)を紹介され、この工業団地を見学しました。
この工業団地は一面の農地だったものを、市が農民から借り上げて、インフラ整備し工業団地にしたものだろう。広東省の工業化は’早くは70年代後半から進んだから、既にバスには乗り遅れたのですが、大規模な造成によって、
外国企業を呼び寄せる算段をしたのだろう。
Q:この工場は日本企業の、どの様な業種に狙いを絞っているのですか。
A:日本の優秀なハイテク産業です。
Q:具体的には?
A:有りませんが、希望によって工場内のレ.アウト(改造)を変更出来ます。
その時の詳しい話は忘れたが、要は「
日本企業を紹介して欲しい」と言う事らしい。立派なパンフレットも頂いたが、棄ててしまったらしく見当たりません。
この様な、工業団地は広東省の各都市部一帯に広がっていますから、世界の生産工場に成りえたわけですね。工場群の写真はマダマダ有りますが、例えば、この二つの工場に収容できる作業員数は、業種にもよりますが
2千人以上は可能だろう。工場に付属して、外来工の寮とか運動場等も併設されています。日本の寒村も驚きの人口ですね。
建物は立派に見えますが、軽量鉄骨(鋼も錆びやすい)で、煉瓦を積み重ね、表面は漆喰で塗られています。更に言うなら、地盤(農地)が柔らかく沈下が激しく、建物は歪んでしまうと言われます。要するに、粗悪な建築物ですから、永年の使用には耐えませんね。
この様な建物でも、借用は地代及び建物の平米で契約するわけです。単価は既に忘れましたが、それ程安くは無かったと思います。この賃貸費が市の大きな収入にもなるし、工場で働く従業員の落とす金とか、あらゆる面に良い影響が有って、中国を繁栄させたのです。もちろん反面に於いて、
自然環境悪化(破壊)とか犯罪の多発等が有るわけです。秩序の無い繁栄は地球を壊すのです。
中国には恐らく15億人(公称では13億人)は居るだろうが、この人口の多さが人件費の安さを生み、それが大きな魅力だったわけですね。現在の中国からの情報によれば、中国沿岸部の人件費が高騰し(
最近、日系企業内で賃上げストライキが頻繁に有る)、且つ人手不足だと言われます。これは、工業化の波が内陸部に進んだ事を示しています。従って、広東省の工業団地では、人手に頼らない「
自動化」が趨勢に有ると言う。日本国内の工作機メーカーが好調な由縁です。
中国の工業化が進めば、「
農業の衰退」が顕著に現れて、中国は農産物の輸入国だと言われます。先程の工業団地造成の陰には、農地を潰した事は明白ですね。中国の友人によれば、
中国の食料保存率は、約15日しか無いと言う。つまり食料輸入が15日間ストップすれば、中国の15億人は餓えると言うのです。本当の話かどうか保障は出来ません。
謎の国、中国ですね。

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