写真は広東省中山市(孫文の故郷)の
嶺南水郷地帯と呼ばれる遠景です。高速道路から撮ったもので、手前の白い帯状は道路脇(下はクリーク)のガードレールです。広東省には中国第三の大河「珠江」が流れていて、いわゆる珠江三角州を形成していますが、
その三角州には幾筋(利根川クラス以上)もの支流が流れて水郷地帯となっています。南船北馬と言う諺が有りますが、これは「
今日は北で馬に乗り明日は南で舟に乗る」と言う忙しい様子を表わしています。広東省は中国の南方(華南)に位置していますから、移動の手段は南船ですね。但し、現在では、日本の援助と物真似によってお金持ちになったから、道路が整備され高速道路も有るのです。
注
この南船北馬と言うのは、北の黄河流域(文明)から見た長江流域を言うもので、南の端の広東省珠江流域等は指さないのだと言う。確かに、現在の江南地方(
蘇州市とか紹興市等)に行けば、ここにはクリークが多く見られ、交通には船が便利な水郷地帯のようです。尚、紹興市と言うのは酒と魯迅の故郷で、水郷の名に恥じないようです。
茨城県にも潮来水郷(菖蒲の観光地)が有りますが、中国の水郷地帯と潮来市の水郷地帯では、残念ながらその規模が違えます。写真で分かるように一望が水郷地帯と言っても過言では無い様です。
作物は稲作(二回/年)も見られますが、バナナとか砂糖黍が多いようです。中山市の役人(共産党員)が自慢するには、中山市のバナナは中国で一番美味しいバナナだと言う。このバナナの栽培の歴史は古く、明末期から始まったようです。
注
バナナ畑と言うのは、畑の中に
小舟の水路が縦横に掘られ、、運搬等に利用しているのですね。但し、虫(蚊)等の多い季節は入るものでは有りません。
さて中国で住みたい場所の一つに、この水郷地帯が有ります。ナンと言っても年中暖かで雪は降りません。水が有って年中緑に覆われ閑静で、
恰も「田園の居に帰る」趣です。恐らく、近所の農家には鶏等を飼っているかも知れません。朝は桑樹で鳴く鶏の声で目覚めるかも知りませんね。リタイヤしたら、この様な場所に住みたいと思っていたが、良く考えて見れば、年寄りには買物とかも不便だし、病気になった時を考えれば、
老後の生活には不便ですね。この様な景色は遠くから眺めてこそ価値が有るようです。

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