日本列島に比べ
中国は広大だと言う。これは中国の小学生が先ず最初に習う教科書に書いて有る言葉です。どの程度広大だと言うなら、例えば、大地震に悩まされる四川省(三国志の蜀の国)等は、日本の面積と略同じ面積(約56万u)を持ち、人口(約1億1000万人)も略同じ程度いるようです。この人口には、恐らく戸籍の無い「
黒子」と呼ばれる者は含まれていませんから、実際の数字は不明で有ろう。永い期間中国に滞在したが、日本の様な「国勢調査」が有った記憶は有りません。但し、
妊娠検査(’90年後半)と言うのが有るらしく、広州から四川省まで帰郷した者がいることは知っています。
中国(中原)と言うのは、地域が広大でしかも物資が豊富で、古くから農耕文化の進んだ国と言っても良いだろう。戦前の中国農業を知る為には「
中国農書、ウィルヘルム.ワグナー著」等が参考に成るだろう。ところが中国周辺地域は、地勢も気候にも恵まれず、物資も乏しく貧弱で、中国の文化には及ばなかったのです。これが中国周辺諸国をして、中国に隷属した大きな理由で有ろう。隷属は中国を「
宗主国」として政治的、経済的、文化的に従うしかなかった訳です。その例は、
朝鮮半島に見る事が出来るだろう。日本列島のみは、海を隔てたモンスーン国家で有って、古来「瑞穂の国」として繁栄した訳です。
さて「
貧しさを患えず、均しからざるを患う」と言うのは、彼の「孔子の言葉」ですが、この言葉こそが中国をして、近代国家に成り得なかった大きな原因なのです。これは中国は「貧しくても良いし、そんな事は心配しないでも良い。問題は中国内で生産される物が万人に平等に分配で出来るかどうか」だと言うのです。その心は、万人に平等に分配出来ない政治こそが問題だと言うのです。施政者に対する戒めの言葉で有ろう。
然し乍、この
万人に平等に分配すると言うのは、ナカナカの難事で有って現実的には無理が有るのです。
今、冬のボーナス分配について考えて見よう。今期は思った以上の利益が出たとします。
内部留保をしたい気持ちは有るのだが、懸命に働いてくれた従業員に報いる為には、税金や社会保険等を差し引き、残った分は全てを一律に分配したいが、従業員には年功序列も有るし、抜群の働きをした者もいるとします。従って、一律に平等に分配する事は出来ません。支給額を決める部長さん等が大いに悩むだろう。抜群の働きとは言っても、所詮はチームワークの勝利でしょう。目立たないが、
コツコツと縁の下の力持ちも必ずいるのです。一律に支給したなら、不平を唱える者も出て、和を乱す事も有るだろう。結局は、
給与額と出勤率等を参考にして決める訳けです。これが一番無難のようです。
然し乍、中国の富の分配方法と言うのは、人の能力に関係無く一様に分配したのです。例えば「
古代に日本で行われた均田制度」です。それは儒教家の考え出した、唐王朝の制度でに倣ったものですが、これは、多くの良田が有ってこそでしょう。従って、この制度はやがては破綻します。
然し乍、「この貧しさを患えず、均しからざるを患う」等と言ってる限り、社会の進歩発展は決して有りません。現状維持のぬるま湯に浸るわけです。これが中国をして近代化が遅れ、日本の後塵を拝した大きな理由だったのです。これではならじと、改革開放を受け入れてみたら、今度は「
貧しさを患い、等しさを患い」とばかり、格差社会を生み出したのです。その格差社会と言うのは「
悪しき醜悪」な見本でしょうか。
中国よ!どこに行くのか。
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