現代貨幣理論は健全な経済観念からは受け入れ難い内容である。魔法の壺のような御都合主義である。右肩上がりの経済成長が終わった時代を生きていた私にとって社会はトレードオフやゼロサムである。だからこそ、東急不動産だまし売り裁判では消費者の権利を強調した。
恐らく現代貨幣理論を受け入れるためには財政を家計や企業会計とは全く異なるものと考える必要があるのだろう。これは国家の仕組みを上手く使えば皆が幸せになるという社会主義革命のアナロジーに見える。日本では、かつて社会主義革命に幻想を抱いた元学生運動家がソ連崩壊後に社会主義という拠り所を失い、代わりに飛び付いた先ではないか。

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