『皇帝ナポレオン』はナポレオン・ボナパルトを描いた歴史漫画。物語はテルミドール反動後から始まる。為政者は利権の維持追求が第一で腐敗しており、王党派が実力で政権奪取を計画していた。
『ベルサイユのバラ』と同じ作者であり、『ベルサイユのバラ』のオリジナルキャラクターも登場する。後日談的な要素がある。
ナポレオンを主人公とした作品となると英雄物語を連想する。しかし、本作品はバスチーユ監獄襲撃に参加した生き残りが狂言回しになっている。皇帝になったナポレオンを肯定一色では描かないだろう。皇帝就任はフランス革命の精神からすれば裏切りである。
また、本作品ではフーシェやタレーランというナポレオン没後も生き延びた陰謀家を存在感のあるキャラクターとして描いている。ナポレオンの足りなかった点も描きそうである。
第1巻のメインはナポレオンとジョセフィーヌの関係である。後の離婚を知る立場からすればジョセフィーヌに感情移入したくなるが、この時点では立場は逆であった。二人の関係がどのようになるか興味深い。

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