イゼルローン要塞失陥を受けて帝国軍三長官は辞表を出す。皇帝はラインハルトに空席となった三長官の何れを希望するか尋ねる。ラインハルトは自分の手柄でもないところで昇進しても意味がないと断る。これはオーベルシュタインの助命を得るための駆け引きと説明される。しかし、自分の手柄でないところで評価されても嬉しくないということにはラインハルトの本音があるだろう。他人の失敗で昇進する平目公務員的な立身出世主義のアンチテーゼである。
ヤン・ウェンリーは「給料分の仕事をする」と昭和の精神論根性論と真逆の勤労意識を持っていた。ラインハルトにも自分のアウトプットが評価の対象という21世紀に通用する勤労意識がある。

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