2019/2/28 8:04
そうだ、女将さんは
こういった稼業をしてるから
着物の目利きもできるだろ
ちょいと見てもらいたい物があるんだ
そういって男は風呂敷包みから
一枚の着物を取り出した
着物の見立て?
そりゃぁ・・まあ少しは
見れば婚礼用の真っ白な打掛
お銀が触ろうとすると
汚い手で触るんじゃない
あばずれが移ったらどうするんだ
・・中略・・
女将は土地の悪い奴らにからまれ
命まで取られそうになってたところを
男が助けてくれたんですが
その際に男も深い手傷を負い
命を落としてしまう

3
2019/2/28 8:03
真珠のような・・は聞いたことがあっても
眼から“らっきょう”は初めて聞いた
それくらい大粒の涙を強調したかった?
それが、より男の純朴さを表してます
(ここ気に入りました)
そりゃ、いつ頃の話しだい?
今から約二十年前のことだ
二十年前
あはは〜(笑)
笑うんじゃない

ごめんなさい 勘弁しておくれ

男の真剣な顔をみて素直に詫びる女将
それでその女の名前は?
お銀っていうんだ
女はハッと思い当たり
まじまじと男の顔を見る

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2019/2/27 3:07
やがて、
お銀が酒を持ってきた
いらねえよ
この上酒代まで取られちゃ敵わない
あはは〜これはわたしの奢りだよ
先ほど女はいらないとか言ってたけど
旅人さんは好きな女でもいるのかい
一体どちらの出身で?
俺ぁ上州の館林だ
あら奇遇だね、わたしも館林なんだよ
良かったら、その話しを聞かせておくれ
なんで見ず知らずのあばずれ女に
そんなことを話さなきゃいけないんだよ
それでも男がゆっくりと語るには
郷里の館林に好きな女がいて
別れる時に
ずっと待ってるから必ず迎えにきてねと
眼から“らっきょう”みてえな涙を流し・・

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