前回の続きで医療の効率化について。
カルテは現時それぞれの病院が管理している。
したがって病院・医院が変わると(紹介状がなければ)それまでの経緯がわからなくなる。
それでいいのか?
どの病院・医院に行ってもそれまでの医療の経過がわかった方が良いに決まっている。
つまりカルテは患者に帰属するべきものなのだ。
しかし、カルテを患者に渡してしまうとおそらく紛失したり病院に持って来忘れたり緊急の場合は持って行けなかったりと、困ることが想定され病院で管理するほうが良かったのだ。
ただこれはあくまで紙カルテでの話のはずだ。
今の時代 紙???
そう電子カルテ時代なら患者に帰属させることができるはずなのだ。
自治体でサーバをもち、各病院・医院は患者のデータにアクセスするようにすれば医療機関をまたいで患者一人に一カルテとなることになる。
その恩恵は計り知れないはずだ。
現在はまず初診の患者は初診料を取られ、カルテや診察券などを作るのにずいぶん待たされる。
サーバにすでに自分のカルテがあるならこんなことは必要なくなり初診関連に必要な事務員もスリム化できるのではないのか?
もちろん電子カルテはまだその序に着いたばかりでまだまだ普及には遠くすぐに実現するとは思ってはいない。
ただそんな方向へのビジョンがほしいのだ。
この様なシステムをもし組むのなら、まず行うべきは患者IDの統一と言うことになる。
ところが医療機関をまたいでのIDの統一を厚生労働省は非常に嫌う。逆行している。
なぜ??
つまりはまったくこのような方向性のことを考えていないのか?
このようなシステムを未来的に組むのなら、電子カルテはある程度統一した仕組みのものが必要になるはずだ。
つまり、電子カルテの様式というものを国として策定必要があるのではないのか?
ばらばらの電子カルテが入ってしまってからでは本当は遅いのだ。
そういう意味ではもしかするとそのようなシステムを考えるには今がラストチャンスなのかもしれないのだ。
IHEーJで事足りるのか??
では電子カルテは今どうなのか?
現在の電子カルテは実は問題が山積している。
特にトップメーカーと言われているところの電子カルテはできが良くない。
できが悪いのでカスタマイズが必要となる。
そして結局非常に高いものになる。
500床クラスで10億を越える。
しかしそれであっても導入による長期的経済的メリットがあると試算されている。
つまり電子カルテ導入は医療費削減・効率化に役立つのだ。
カスタマイズしなくてもすむ良いパッケージの電子カルテができ、国としてそれを推進すれば、医療機関に大量に納品されるのだからスケールメリットがでて安く、かつ膨大なユーザからのフィードバックでさらにいいものに変わるのでは?
またある程度電子カルテの概略を国が決めれば、ソフトメーカーの新規参入がしやすくなり競争原理がもっと働いて安くいいものになるはずだ。
そして良い電子カルテソフトができれば、それは輸出産業にもなり得るのだ。
なぜそのようなビジョンを国として持てないのだ??
ソフトメーカのことは経産省(旧通産省)で省庁が異なるからか??
だとしたら最悪の縦割り行政だが、それをまとめるのが政治家ではないのか??
実務はできなくてもビジョンを示すのが政治家ではないのか??
日本にとって悲しい厚生労働大臣の人選がずっと続いている。

1