わーい。ゲームをする隙を見て読み終わっちゃったんで、ちょっと感想に行ってみます。
書評なんて立派なものじゃないっすけどね。
タイトルは「悪魔のマーケティング」。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822243427/qid%3D1110018078/249-2846467-9585101
ちょっとネタバレしちゃってます。
販売においては「商品について熟知する」ことは基本的な前提になってるっすけど、まさにタバコ産業も同様で、タバコ会社は昔から本当によーくタバコについて熟知していました。
その猛毒性についても依存性についても。
そして熟知していたからこそ、コントロール出来たんですね。
この巨大な市場を。
知った上で、効果的な市場戦略を繰り広げるんです。
タバコについての一般の認知は歴史的に移り変わってきましたけど、それに応じて、より効果的、より適切な戦略にシフトしていくっす。
それがなかなかお見事。
言うだけのことはあります。
何をって?
「もちろんそんなもの吸わないさ。俺たちはただ売るだけ。タバコを吸う権利なんざ、ガキや貧乏人、黒人、それからその他のおバカな方々に謹んでさしあげますよ」(引用)
まさに悪魔の所業な市場戦略を色々見せてくれます。
例えば〜
「タバコは大人の嗜好品」
と、背伸びしたがりな未成年者にアピール。
タバコの依存症を生じさせるためには、未成年者のうちにタバコを刷り込む必要がある。
「安全なタバコ」を開発することは不可能だし、んなものを売る必要はない。「安全と思わせるタバコ」を売ればいい(例・ニコチンやタールの含有量が少ないタバコ。但し体内に吸収する効率を上げているとかね♪)。
タバコの危険性に対する認知度が高まるに従って、戦略も臨機応変に変化していくんですよ。
いやはや、読んでいて引きずりこまれるっすね。
「うわー悪魔、すげー悪魔」って感じです。
文章自体が比較的平易だし、テーマを市場戦略に絞っていて、変にタバコの有害性についてのウンチクとかを今更細かく述べるよーなことはしていないから、かなり読みやすい仕上がりになっています。
また、理屈よりもタバコ会社の人達のナイスな暴言っぷりを多く挙げて表現しているので、迫力もありました。
それにしても喫煙者がかなりかわいそうに見えてきます。
ちょっとした気の迷いから、逃れられない依存性に苛まれて、吸わない人からは迷惑がられて、売っている人からはバカ扱いされて…。
最後には健康を害して終わりですもんね。
いやあ、かわいそうだわ。

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