まさにタイトルの通りで、私はその部類なんだと思います。
ただ告別式に出るタイプというより、お通夜で済ませるタイプなのかと。
我がアパートからは中央本線が見えます。
そこを駆け抜けていく列車の中で、貨物列車以外で最もうるさい電車がこの3月で消えることになりました。
昨年11月から着実に本数が減り、最近は見かけることも少なくなりなんか気になるようになってきました。
で、今日は夜勤明けにちょこっと寝た後、その電車に乗ろうと出かけることにしました。
向かったのはJR下諏訪駅。
構内には、

こんなポスターが。
そうです、今日乗ろうとしているのはこの置き換えの対象になっている老朽化した車両。
ここはJR東日本ですが、このJR東海の飯田線の車両が茅野まで入線する運用があり、このような案内が出ています。
ホームに出ると、

中央本・篠ノ井線1541Mの115系が到着。
これに乗って隣の岡谷へ。
実はこの115系もここ数年で置き換えとの話題が出ています。
最近東海道線で走っていた211系が次々北長野にあるJR東日本の車両工場に運び込まれています。
一説によればこれを改造して115系の置き換えに使用するらしいです。
そして岡谷に着いて、隣の番線に停車している飯田線232Mに近づくと、

あちゃあ、残念。お目当ての車両ではなく先程のポスターで言うところの3ドア車両、313系3000番台です。新車に見えますが実は新車ではなく関西本線や中央西線で使用した車両のお下がりです。
この313系、最近のJR東海の標準普通列車車両ともいえる車両で、ステンレス軽量車体をVVVF制御(可変電圧可変周波数制御)装置を用いて交流誘導モーターを回し走る先進の省エネ車両です。
これに乗って飯田線へ。
途中の伊那松島駅で下車。

単線の飯田線、交換の243Mでやって来たのは先程のポスターの2ドア車両、213系5000番台。実はこれも関西本線のお下がり。
これは313系よりは少し古く、ステンレス軽量車体ですが、直流モーターを使用した界磁添加励磁制御を採用のちょっと省エネな車両です。
そんな列車をホームで見送り、そこから辰野方面を見ると伊那松島運輸区が見えます。
そこには、

先程も走っていたのと同じ213系(右)と、左が今回乗ろうとしている119系。
この119系がこの3月で消えようとしている車両です。
昭和57年から製造された車両で、それまで飯田線で走っていた戦前・中に製造された旧型国電を置き換えました。
この車両の走行機器の多くは廃車になった他の車両の部品のリサイクル品。特にモーターや台車は40年前の首都圏の通勤電車のものそのもので、加減速重視のそれは私鉄買収路線の飯田線のような駅間距離の短いところには最適のものでした。
ですが加速重視のギヤ比のため高速時にはモーターが高回転になり盛大な音を発するのが特徴です。
そして車体は鋼鉄製でありかなり重く、制御装置も発熱を伴う抵抗器を用いたもので省エネとは正反対の車両であることも置き換えられる一因です。
でも非常に丈夫に作られているので、まだ十分に走れます。
JR東海は儲かっているので、このように廃車されてしまいますが、ほぼ同様の車両を大量に保有しているJR西日本は資金難のため今後も同様の車両を使用し続けるようです。
そして寒いホームの待合室で待つこと40分。

234M、待望の119系がやって来ました。
これに乗車。
この車両、現在残っているうちで唯一のワンマン化改造されたR1編成。
先頭に行って、

窓を覗き込むと昭和を感じる運転台が。
走行音も騒がしく、またコンプレッサーが最近のスクリュー式ではなくレシプロ式のため“ゴトゴトゴト”と懐かしい音と振動を発します。
そんな昭和を楽しんでいたら、あっという間に

伊那市駅に到着。ここで下車。
一度改札を出て缶コーヒーで暖をとって再びホームへ。

霙降る中519M入線。上諏訪行きなので乗り換え無しで下諏訪に帰れます。
また119系に揺られます。
通学の高校生で混雑する車内。
ふと天井を見ると

懐かしい“JNR(日本国有鉄道)”ロゴの入った扇風機が。
そして壁には、

時代を感じる書体のスイッチ。
そんな119系に1時間程揺られて

下諏訪に帰ってきました。
さようなら119系。
また懐かしいものがひとつ消えます。

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