「東野圭吾」の初期の長篇ミステリー
『学生街の殺人』を読みました。
『卒業-雪月花殺人ゲーム』に続き
「東野圭吾」の長篇作品です。
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学生街のビリヤード場で働く
「津村光平」の知り合いで、元サラリーマンの
「松木」がある日突然何者かに殺された。
「俺はこの街が嫌いなんだ」という謎の言葉を
「光平」にのこして…。
さらに第2の殺人が密室状況で起こり、恐るべき事件は思いがけない方向へ展開してゆく…。
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青春群像としての印象が強いところや同じ街が舞台なっているところ、自分の幸せのために親友を犠牲にすることがテーマになっているところ等、先日読了した
『卒業-雪月花殺人ゲーム』と共通性を持った作品でしたね。
そして犯人が捕まり事件が解決したと思ったのに、、、
未解決の謎が残り、実はひとつ目とふたつ目の事件の背後に、それらの事件を利用した別な事件が潜んでいた… という二層構造となっており、
『卒業-雪月花殺人ゲーム』以上に愉しめる内容となっていました。
500ページ近い作品でしたが、退屈な部分がなく、意外と早く読み終えちゃいました。
『卒業-雪月花殺人ゲーム』のように妙に複雑なトリックもなく読みやすかったしね。
序盤に提示された伏線(謎)が、エンディングではパズルの最後のピースをはめるようにピタリと繋がるところもスッキリ感があって良かったですね。
だけど、真犯人の親友や知人を犠牲にしてまで自分の幸せを守ろう(掴もう)とする姿や、真相を探るために友人がそれを暴かなければならなくなったことについては、スッキリせずやるせなさやわだかまりが残りますねぇ。
うーん、自分の幸せのために他人を犠牲にしたくはないなぁ。
でも、自分が幸せになるってことは、誰かを犠牲にしているのかなぁ… 考えさせられました。

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