「湊かなえ」のデビュー作
『告白』を読みました。
来月から映画が公開されることもあり、巷で評判の作品らしく、嫁さんが知人から借りていたので、私も読ませてもらいました。
-----story-------------
我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。
ひとつの事件をモノローグ形式で
「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。
選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。
-----------------------
タイトル通り、事件の関係者が
『告白』していく形式で物語が進行します。
オープニングとエンディングは、我が子を校内で亡くした女性教師
「森口悠子」の告白となっており、、、
オープニングで事件の全体像、概要、犯人の少年二人、そして
「森口悠子」が実行した復讐方法が明らかになり、
エンディングでは、あっと驚く… というか、ぞっとする報復が実行されます。
うーん、、、 (ーー;)
女性教師
「森口悠子」については、我が子を教え子に殺されたということで同情はするものの、その行動(憎しみを憎しみで返す復讐)には賛同できなかったですねぇ。
憎しみの連鎖を生むような心理や行動は生理的に受け付けないというか、心のどこかで拒絶して扉を閉じてしまいます。
作り話なんだから楽しめばいいじゃないか… とは、なかなか割り切れないですね。
そして、読みながら感じたのは、犯人である二人の少年やクラスメイト、犯人の両親のあまりにも利己的な発想や行為に対する嫌悪感や不快感、そして彼らに絶対に同調したくないという抵抗感。
理解できないし、理解したくもない… と思いながら、読み進めた感じですね。
全く感情移入できず、昨年
『リアル鬼ごっこ』を読んだ際と、同じような感覚を覚えました。
ただ、思春期を前にした息子を持つ親の立場として、そして自分の経験と照らし合わせ、色々と考えさせられたのも事実です。
今回は物語だから簡単に目を背けることができますが、実際に息子の周辺で同じようなことが起こったら、事実を受け留めて立ち向かって行かなきゃならないですからね。
色んな意味で、読んでいて、とても疲労感を感じる作品でした。

0