"IL FERROVIERE"
先日、午前十時の映画祭で上映していた
『鉄道員』を観ました。
小学生のときNHK(日曜日の午後にやっていた名作劇場?)で観て以来なので、大まかなシナリオ以外は記憶に残ってなく、新鮮な気持ちで観ることができましたね。
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第二次世界大戦後のイタリアに生きる庶民の人生の歓びや哀しみを、ある一人の初老の鉄道機関士の姿を通して描いた、映画史に残る感動作。
50歳のクリスマスを迎えたイタリアの鉄道機関士
「アンドレア・マルコッチ」は、末っ子の
「サンドロ」から英雄のように慕われていたが、長女の
「ジュリア」と長男の
「マルチェロ」からは、その厳格さや律儀で一徹な態度から敬遠されていた。
しかしそんな彼らもやさしく献身的な母
「サーラ」がいるおかげで毎日平穏に暮らしていた。
そんなある日、娘
「ジュリア」の流産や息子の不良化に気を病んでいた
「アンドレア」が列車を運転していた所、彼の前に一人の若者が身を投げた。
急いでブレーキをかけた
「アンドレア」だったが、間に合わずにその青年を轢いてしまう……。
いたいけな少年
「サンドロ」の純真な眼を通して、親子の愛情や夫婦の愛、そしてイタリアの地に生きる庶民たちの喜怒哀楽を、全編に流れる温かい人間愛で描いた映画史に残る名編。
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厳格な父親。(&音楽好きで酒飲み)
父親に従順で、優しくて働き者の母親。
長男は働かずに自宅に、娘は妊娠して嫁に… 旧き良き日本映画にもありそうな雰囲気の映画です。
それぞれの問題を抱えていた家族が、父親の列車事故をきっかけに崩壊して行く、、、
そして、勤務変更による賃金引下げやスト破りによる仲間外れにより父親は酒に溺れ… その後、行きつけの酒場で仲間達に暖かく迎えられるまでは良かったのですが、その夜、仲間達と歌っている最中に倒れ、寝たきりの生活に。
本作品は、そんな辛い家族像を純真な少年の目から描いています。
少年には理解できない大人の世界… 父親と姉のどっちが正しいのかを母親に訪ねると、母親は
「どっちも正しい」と答える。
それじゃあ、どっちも謝らないから解決しないという息子に対し、
「問題はね、一緒にいても話をしないこと。」と答える母親… コミュニケーションの大切さは、現代にも通じることですよね。
エンディング間際の、家族の再生を予感させるシーンは、心が温かくなる感じがしました。
戻ってきた長男
「マルチェロ」や仲間達と楽しく過ごした夜、
「アンドレア」は永遠の眠りにつきました。
哀しいエンディングでしたね。
哀しげな音楽も、これまたイタリアのネオレアリズモっぽくて良いですね。
あと、ワインを飲んで酔っ払うところも… イタリア映画の定番か。
ワインを飲みたくなりました。
ブドウに乾杯!
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監督: ピエトロ・ジェルミ
製作: カルロ・ポンティ
脚本: アルフレード・ジャンネッティ
ピエトロ・ジェルミ
ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
撮影: レオニーダ・バルボーニ
音楽: カルロ・ルスティケリ
出演:
ピエトロ・ジェルミ アンドレア・マルコッチ
エドアルド・ネヴォラ サンドロ
ルイザ・デラ・ノーチェ サーラ
シルヴァ・コシナ ジュリア
サロ・ウルツィ リヴェラーニ
カルロ・ジュフレ レナート
レナート・スペツィアリ マルチェロ

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