「宮部みゆき」の時代小説
『本所深川ふしぎ草紙』を読みました。
「宮部みゆき」作品は、昨年の4月に読んだ
『小暮写眞館』以来ですね。
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「本所七不思議」にまつわる七つの怪事件を岡っ引きの
「茂七」が名推理!
下町人情味溢れる連作時代ミステリ。
「近江屋藤兵衛」が殺された。
下手人は
「藤兵衛」と折り合いの悪かった娘の
「お美津」だという噂が流れたが……。
幼い頃
「お美津」に受けた恩義を忘れず、ほのかな思いを抱き続けた職人がことの真相を探る
『片葉の芦』。
お嬢さんの恋愛成就の願掛けに丑三つ参りを命ぜられた奉公人の娘
「おりん」の出会った怪異の顛末
『送り提灯』など深川七不思議を題材に下町人情の世界を描く7編。
「宮部」ワールド時代小説篇。
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「植松三十里」の歴史小説
『咸臨丸、サンフランシスコにて』を読んで、歴史モノ、時代モノもなかなか面白いなぁ… と思い、本書を読んでみたくなりました。
本所(東京都墨田区)に江戸時代ころから伝承される奇談・怪談である、本所七不思議(ほんじょななふしぎ)を題材にした、以下の7篇で構成されています。
■第一話 片葉の芦
■第二話 送り提灯
■第三話 置いてけ堀
■第四話 落葉なしの椎
■第五話 馬鹿囃子<
■第六話 足洗い屋敷
■第七話 消えずの行灯
岡っ引きの
「茂七」が
「回向院の親分」として全作に登場しますが、あくまでも脇役として配置されており、主人公は市井に生きる庶民、、、
全ての作品が庶民の目線から語られており、人間の優しさや触れ合いを巧く描いた下町の人情物語となっています。
ほとんどの作品に殺人事件が絡んでいますが、穏やかな雰囲気があり、後味の悪さは感じませんでしたね。
巧みな語り口のせいか、時代モノなのにリアル感を持って読むことができました、、、
現代と違って、灯りのない夜は怖いものだったんでしょうねぇ… 数々の奇談・怪談が生まれた理由もわかる気がします。
あと、物語に出てくる食べもの、、、
蕎麦、鰻、麦とろ飯、栗ご飯、握り寿司、和菓子… どれもこれもおいしそうでした。
江戸時代は、意外と食生活の水準が高かったのかもしれませんね。

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