「永六輔」のエッセイと、その父
「永忠順」の手紙から構成された作品
『新編 父と子』を読みました。
最近、ハチャメチャ系の作品を連続して読んでいたので、書棚に並んでいる未読作品の中から少し落ち着く作品を選択しました。
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東京下町の寺の住職である明治生まれの父
「忠順」、昭和生まれの子
「六輔」。
父が息子に送った多くの手紙、呼応するように書かれた息子のエッセイ。
共に照れ屋の二人が、
『街』、
『旅』、
『女』についてかわしたこころの対話。
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『街=父と子 おやじ永忠順との優雅な断絶』、
『女=父と子 わが家のおんな百年史』、
『旅=父と子 おやじ永忠順と訪れる見知らぬ横丁』から選んだ作品で再構成した作品です。
■街
・親子三代
・街そだち
・浅草の祭り ほか
■旅
・旅…世は情け
・旅、気のむくまま
・街を旅する ほか
■女
・栄光の女芸人
・家族としての女
『街』、
『旅』、
『女』の三篇の中では、
『旅』のエッセイや手紙が最も印象的で、愉しく読めましたね。
作品の中で語られている
「旅と輸送は違う、物理的に移動することが旅じゃなくて、考えることが旅なんだ」という旅に対する考え方に共感できたのが要因かな。
時代や世代は違っても、共感できることがあるというのは、何だか嬉しいモンですね。
出雲や隠岐の島、広島等… 良く知っている土地が登場する場面は興味深く読めたし、読みながら、一緒に場所を旅している気持ちになれました。
『街』では、生まれて育った浅草、戦中〜戦後に疎開していた信州のことが、いきいきと綴ってあることも印象に残りました、、、
当時を想像しながら愉しく読みました。
『女』では、栄光の女芸人として
「マリリン・モンロー」のことが紹介されていたことが印象に残りました、、、
亡くなった理由については諸説あるようですが…
「ハリウッドは彼女を生み、彼女を殺した」ということなんでしょうね。
「永六輔」と、その父
「永忠順」… 私とは、育った地域も環境も世代も異なる二人ですが、意外と共感できることが多くて驚きました。

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