「加藤仁」が元ラグビー日本代表監督
「宿澤広朗」の生き方をドキュメントした作品
『宿澤広朗 運を支配した男』を読みました。
『日仏ラグビーとエリサルド』、
『気づかせて動かす 熱情と理のマネジメント』に続きラグビー関係の本です。
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2006年6月17日、三井住友銀行専務
「宿澤広朗」は群馬県内で山登り中に突然倒れ、急逝した。
享年55。
ラガーとして頂点を極め、銀行マンとしても大銀行頭取の座まで指呼の間まで迫りながらの無念の夭折だった。
宿澤の告別式には4000人を超える人々がつめかけ、故人の人脈と人望の厚さを示した。
地方の進学校から名門・早稲田大学ラグビー部に進み、あっという間にレギュラーを獲得しただけでなく、社会人を破って日本一に。
日本代表選手にも選ばれ、卒業時には多くの社会人チームから勧誘された文字通りの天才ラガーだった。
戦局を見通す目の確かさは指導者としても発揮され、1989年日本代表監督に就任するやいなや強豪スコットランドを破る金星を挙げた。
この勝利は、いまも日本ラグビー最大の金字塔として語り継がれている。
「宿澤氏」は、サラリーマンとしても別格の決断力、実行力を示した。
住友銀行に就職するとたちまち頭角を現し、ロンドン支店時代にはディーラーとして銀行に巨大な利益をもたらした。
帰国後も重職を歴任、とくに9・11テロでは卓抜な危機管理を示した。
松下電器グループ子会社の整理、江崎グリコ、ワールドなどの企業防衛にも手腕を振るうなど、金融のまさに第一線で活躍した。
「宿澤広朗」は、人並みはずれた強運の持ち主だっただけでなく、想像を絶する努力によって
「運を支配した男」でもあった。
本書は、
「宿澤広朗」の銀行内での活躍や私生活上の知られざるエピソードを、膨大な取材によって掘り起こした傑作評伝である。
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ラグビーの指導者、プレーヤーとして尊敬する
「宿澤広朗」の生き方、生き様が以下の十章で綴られている作品です。
■プロローグ 神々の嫉妬
■第一章 伝説の男
■第二章 文武両道
■第三章 二足のわらじ
■第四章 全戦全勝のディーラー
■第五章 空中戦と地上戦
■第六章 取締役への道
■第七章 書斎なき家庭人
■第八章 突然の解任
■第九章 松下電器との攻防
■第十章 最後のプロジェクト
■エピローグ 真っ赤な薔薇を抱いて
■あとがき
以前、
「永田洋光」の著書
『勝つことのみが善である - 宿澤広朗 全戦全勝の哲学』を読んだときにも感じたのですが、、、
仕事とラグビーを両立させながら猛スピードで駆け抜け、いずれも成果を挙げながら突き進んだ人生には憧れますね… 真似したくても真似できないですねぇ。
印象に残った言葉、、、
「勝つことのみが善である」
「努力が運を支配する。
たゆみない努力と、それによって生まれた実力と、それらを活かす恵まれた運、この三つがうまく相関した時に一つの大きな力となって相手に打ち勝つことができる」
特に後者については、日々意識しておきたいなぁ… と感じました。
「宿澤広朗」という人物のことが、益々、好きになったし、見習う部分が多いなぁ… と気付きのあった一冊でしたね。

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