スウェーデンの作家
「シッゲ・エクランド」の長篇ミステリ作品
『迷路の少女(原題:In i labyrinten)』を読みました。
「ヨナス・ヨナソン」、
「ミカエル・ヨート」と
「ハンス・ローセンフェルト」の共著、
「ヨハン・テオリン」に続き、スウェーデン作家の作品です… 北欧ミステリが続いています。
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書籍編集者の
「マルティン」と精神科医
「オーサ」の夫婦の間の11歳の娘
「マグダ」が失踪してから10カ月が過ぎようとしていた。
夫婦が自宅に隣接するレストランで食事をしているわずかな間の出来事だった。
必死に娘を捜し、情報提供を呼びかける夫婦だったが、警察は彼らに疑いをかけ、マスコミや世間も父親
「マルティン」を犯人と見ている。
そんな
「マルティン」にあこがれていた職場の部下
「トム」は、ちょうど恋人
「カーチャ」と別れた直後だったこともあり、自ら
「マグダ」の行方を捜そうとする。
娘の行方を捜し求める
「オーサ」は自分の患者たちに疑いをかけ、また夫の無実を信じつつも夫婦の間には亀裂が広がる。
事件が起きた5月3日から先へ、そしてある時は過去へ、人々の間のつながりは複雑な図を描きつつ、徐々に事件の真相を明らかにしてゆく。
事件のそもそもの発端はどこにあったのか?……北欧発鮮烈サスペンス
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2014年(平成26年)に発表された
「シッゲ・エクランド」の5作目で、初めて邦訳された作品… スウェーデンの作家、TVプロデューサーや脚本家としても活躍している人物とのことだったので、ちょっと期待して読みました、、、
が、残念ながら消化不良… 物語は、4人の人物の視点から描かれているのですが、時間軸がバラバラで全体像を掴むのが難しくもどかしさを強く感じるし、少女失踪事件の真相が明示されておらず、苦労して読み進んだのに中途半端に終わった感じで、徒労感が残る作品でした。
その夜、
「マルティン・ホルン」と
「オーサ」の夫婦が自宅近くのレストランで食事をしていた、そのほんのわずかな間に、11歳の娘
「マグダ」が自宅から忽然と消えた… 必死に情報提供を呼びかける夫婦だったが、警察や世間は彼らに疑いをかける、、、
夫婦の間でも互いへの疑心がつのり、やがて彼らの周囲の人々にも波紋は広がって… 事件のそもそもの発端は? そして
「マグダ」は今どこに?
本書は倦怠期を迎えたふた組の男女の視点で描かれます… ひと組は、有名な書籍編集者の
「マルティン」と、野心や信念を持ってカウンセラーの仕事に励んでいた妻の
「オーサ」、、、
体調が優れず自宅でひとりでいた
「マグダ」が忽然と姿を消し、警察は両親による殺害・遺棄を疑うが
「オーサ」のアリバイはすぐに認められ、夫の
「マルティン」は当日の足取りに生じる空白について説明できず、嫌疑は晴れないままだった…
「オーサ」は、
「マルティン」が娘に危害を加えるなどあり得ないと思いながらも、あの夜に限って近所のレストランで夫婦水入らずで夕食を取ろうと誘った
「マルティン」に対するわだかまりを捨てきれなかった。
もともと、一人娘の
「マグダ」への接し方について意見が対立し、夫婦間の衝突が多くなっていた… だが、
「マグダ」の失踪を機に、二人はそれぞれ自分を見つめ直すことになる、、、
もうひと組は、夢を追うことをやめない男
「トム」と、現実に疲れている女
「カーチャ」、同棲を始めて6年になるふたりは、子どもをもうけるかどうかで考えが異なり、いさかいが絶えなかった。
若くして立ち上げたウェブ事業で成功を収めた
「トム」は、同事業の売却で得た金で安穏と暮らしていたが、やがてその金も底をつき、心の余裕も失いつつあった… 一方の
「カーチャ」は、若い頃に詩集作家としてデビューしたものの、最近になってようやくまとめた新作の原稿を不採用とされると、地元の小学校の養護教諭として勤めはじめた。
その小学校で失踪前の
「マグダ」と出会い、それをきっかけに、父親である
「マルティン」に強い興味を持つようになる… この些細な交点が発端となり、やがて
「トム」は
「マルティン」の個人用編集助手として働き出し、彼に心酔していく、、、
こうして四人の人生が接点を持つなかで、
「マグダ」の失踪事件が起こる… まとめてみると、複雑な感じはしないのですが、読んでいて、なかなか全体像がわからない構成になっていて、読み疲れする感じ。
登場人物の心理描写に多くの文字が割かれているし、時間軸が行ったり来たりでわかりにくのが原因なんでしょうね… 残念ですが、愉しめなかったなぁ。
以下、主な登場人物です。
「マグダ・ホルン」
失踪した少女
「マルティン・ホルン」
マグダの父。書籍編集者
「オーサ・ホルン」
マグダの母。精神科医
「トム」
マルティンの部下
「カーチャ」
トムの恋人

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