「江戸川乱歩」の長篇ミステリ作品
『蜘蛛男 江戸川乱歩ベストセレクション(8)』を読みました。
「岡本綺堂」の作品に続き、昭和初期に発表された作品、、、
「江戸川乱歩」の作品は、
『江戸川乱歩短篇集』以来なので5年振りですね。
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猟奇的殺人事件を描いた推理小説の傑作!
好みの女性を狙う殺人鬼
「蜘蛛男」が現れた。
犯罪学の権威
「畔柳博士」が犯罪を阻止しようとするが、被害者は跡を絶たない。
そんな中、
「明智小五郎」が
「蜘蛛男」の正体を見破る。
「蜘蛛男」を追い詰める
「明智」の作戦とは!
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『講談倶楽部』に1929年(昭和4年)8月から1930年(昭和5年)6月まで連載され、
「江戸川乱歩」による
"通俗もの"の代表作とされる作品です… 久しぶりにレトロな冒険活劇を愉しみましたね。
東京のY町に開店した小さな美術商・稲垣商店へ事務員としてやってきた
「里見芳枝」は、店長の
「稲垣平造」と出かけたきり、行方不明となる…
「稲垣」の正体は、
「青ひげ」になぞらえられる殺人鬼
「蜘蛛男」だったのだ、、、
やがて、
「芳枝」は石膏像に塗り込められたバラバラ死体となって発見されたうえ、
「芳枝」の姉である
「絹枝」も殺害されて水族館の水槽に浮かべられてしまう… この事件を調べていた私立探偵の
「畔柳(くろやなぎ)博士」と助手の
「野崎青年」は、
「蜘蛛男」が
「芳枝」に似た女性ばかりを狙って殺人を行っていると考え、警視庁の
「波越警部」とともに捜査へ乗り出すが、被害者は跡を絶たない。
そんな中、名探偵
「明智小五郎」が現われ、
「蜘蛛男」の正体を見破り、徐々に追い詰めていく……。
「蜘蛛男」の正体は中盤あたりには想定できており、終盤は
「明智小五郎」と一緒に犯人を追い詰めて行く気分が味わえましたね… 時々、読者に話しかけてくるような独特の語り口もイイ感じでした、、、
現実感はないのですが、物語として割り切れば、とても愉しめる作品ですね… 昭和初期の作品も侮れません。

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