イギリスの政治家・作家
「ジェフリー・アーチャー」の長篇ミステリ作品
『百万ドルをとり返せ!(原題:Not a Penny More, Not a Penny Less)』を読みました。
「ジェフリー・アーチャー」の作品は、約2年前に読んだ
『遥かなる未踏峰』以来なので久しぶりですね。
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頭脳の限りを尽した、知能犯小説の金字塔!!
大物詐欺師に4人のエキスパートが挑む痛快エンターテインメント。
大物詐欺師で富豪の
「ハーヴェイ・メトカーフ」の策略により、北海油田の幽霊会社の株を買わされ、合計百万ドルを巻きあげられて無一文になった四人の男たち。
天才的数学教授を中心に医者、画商、貴族が専門を生かしたプランを持ちより、頭脳のかぎりを尽して展開する絶妙華麗、痛快無比の奪回作戦。
新機軸のエンターテインメントとして話題を呼ぶ
“コン・ゲーム小説”の傑作。
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1976年(昭和51年)に発表された
「ジェフリー・アーチャー」のデビュー作… 1973年(昭和48年)にカナダの会社に百万ドル投資したものの、翌年、スコットランド・ヤードからその株が紙屑同然だと知らされ、一夜にして無一文になったという著者自身の経験をもとに描かれたコン・ゲーム(詐欺)小説です、、、
『東西ミステリーベスト100』では、海外篇の95位にランクインしている作品ですね。
少なく見積もっても2,500万ドルの資産… 高級シャンペンと高価な葉巻を味わいながら、大富豪の
「ハーヴェイ・メトカーフ」の頭には、次の計画が浮かんでいた、、、
北海油田の幽霊会社・プロスペクタ・オイルの株に騙されるであろう、あわれな四人の男たち… 彼の蓄財は全て悪質な詐欺によるものだった。
ハーバード大学を出た
「デイヴィッド・ケスラー」は、ボストン・グローブの求人広告を見て、プロスペクタ・オイルに入社した… しかし、会社が詐欺のためのペーパー・カンパニーとは知らず、自社の株を有望な投資として売り込んでしまう、、、
まんまと引っかかったオクスフォード大学の客員フェロー
「スティーヴン・ブラッドリー」、医師の
「ロビン・オークリー」、画廊の経営者
「ジャン=ピエール・ラマン」、伯爵の息子
「ジェイムズ・ブリグズリー」の4人の損失額は、合計100万ドルだった…
「スティーヴン」のリーダーシップにより一堂に会した被害者たちは、騙し取られた100万ドルを
「ハーヴェイ」から取り戻すことを決意する。
合言葉は
「1ペニーも多くなく、1ペニーも少なくなく(Not a Penny More, Not a Penny Less)」… かくして4人のミッションがスタートした……。
4人がひとつずつのミッションを計画し、4つのミッションで100万ドルピッタリを奪い返すという展開… 知恵と工夫により、3つのミッションを成功させ、残りのミッションで残りの25万101ドル42セントの貸しを取り戻そうとするが、、、
3つのミッションを成功させるまでの展開もワクワクドキドキで愉しいのですが… 最後のミッションには
「ジェイムズ」の婚約者
「アン・サマートン」が絡んできて意外な展開へ。
「アン」が想定外の食わせ物でしたねー そこがまた面白かった、、、
でも、結果的には
「ハーヴェイ」も含めて、ハッピーエンドじゃなかったのかな… 痛快なエンターテインメント作品でしたね。
以下、主な登場人物です。
「ハーヴェイ・メトカーフ」
一代で身代を築いた億万長者
「デイヴィッド・ケスラー」
プロスペクタ・オイルの新入社員
「スティーヴン・ブラッドリー」
オクスフォード大学の客員フェロー
「ロビン・オークリー」
上流階級専門の医師
「ジャン=ピエール・ラマン」
フランス人の画廊経営者
「ジェイムズ・ブリグズリー」
イギリス貴族の御曹司
「アン・サマートン」
美人モデル
「クリフォード・スミス」
スコットランド・ヤード詐欺捜査課警部

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